膨らみすぎた期待と横たわった現実の隙間で【ネパール・カトマンズ】
「なぜそんなに旅が好きなのか」の質問には、いつも頭を悩ませる。
それは、旅が好きだと思ったことが、多分1度もないからだ。
マグロが止まってしまうと死んでしまうのと同じように、どちらかというと私にとって「移動すること」は呼吸するのと同じ感覚で、一箇所にジッとしていると心が、死んでいく気がする。
黒い塊に侵食されていくあの感じは、今も言葉にできない。
あの感覚から私を救い出してくれたのが、旅だったのだ。
そんな事を、久々の旅はゆっくりゆっくり、教えてくれる。
ダハニとトニ