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【レポート】テレビノーク#14 「記録から表現をつくる?」

月に一度、カロクリサイクルの活動として、話を聞きたい人をお招きしておしゃべりしている配信「テレビノーク」。
#14は9月18日(月)にお届けしました。
アーカイブはこちらからご覧いただけます👇

#14を放送した9月は、ちょうど「記録から表現をつくる」のワークショップが無事終了した頃。ということで、ファシリテーターを担当した小屋竜平さんをお迎えし、終わりたての新鮮なうちに内容を振り返りました。
(しかしようやくレポートに起こせたのが師走という、、、🙇‍♀️🙇‍♀️🙇‍♀️)

ワークショップを思い出してニコニコな三者

生配信に引き続き、アーカイブ配信も、ワークショップの手法からワークシートまで全部見られる超お得回となっております。
美大生や表現に関わる人全般におすすめ!

年明けには昨年同様、今回おしゃべりした「記録から表現をつくる」ワークショップ参加者による展示を行う予定です…!noteでも、当日の様子について詳しいレポートを追ってお届けします。展示開催を待ちがてら、配信やレポートをちらっと覗いていただけたらなと思います。


記録から表現をつくる

ゲストの小屋竜平さんは1982年愛知生まれ。東京藝大の先端芸術表現科を卒業され、東京大学大学院へ入り博士後期を課程満期退学。ファシリテーターとして、東京プロジェクトスタディ「部屋しかないところからラボを建てる」(2018)、コーディネーターとして「東京スーダラ2019―希望のうたと舞いをつくる」(2020)などなど、ワークショップの現場を数多くつくっています。
去年もカロクリサイクルでは「記録から表現をつくる」のワークショップを開催していたのですが、今回は小屋さんに加わっていただき、より安心安全(?)になりました。

お二人は旧知の仲で、何かと協働も多い間柄
ワークショップの様子


その時々で話されていたことや起きていたことのキーワードを挙げてみたいのですが、ワークショップの全体の流れをまずは整理してみたいと思います。

《ワークショップのスケジュール》

1日目(7/23)
・「記録から表現をつくる」どんなことをやるか、レクチャー
・午前:聞き書きワークショップ テーマ「私の地元/大切な場所について」
・午後:あるテキストを別の形にしてみるワークショップ パフォーマンス:豊田ゆり佳さん
2日目(7/30)
・第五福竜丸展示館に行く
・実践者 市田真理さんと出会う、話を聞く
・小作品をつくる
3日目(8/20)
・自由相談日
4日目(9/9)
・搬入作業日
5日目(9/10)
・表現を持ち寄り、話し合う

「記録をする」という態度や、その行為を通じて、対象と関わり続けることを試みるこの企画。NOOKにとっては仲間さがしの企画でもあります。

陸前高田の花畑

ワークショップの初日では、瀬尾さんはそもそもなんで記録から表現を?という過程を例に挙げて、記録と表現の関係や、聞く⇄語るの関係をほぐす時間だった模様。表現というと自己表現に繋がりがちだけど、そうではないところにもいっぱいある。対象と出会って何かを知り、それからその知ったものを記録したい、となっていく。記録者のポジションになることは表現者になることでもあるんだよね、という言葉もスライドを見ながら出ていました。

瀬尾さん的記録の
★記録ってどんなもの?
★記録のいいところ(記録の効用?)

が細かく掘り下げられています。
ワークショップの振り返りを通して出ていた話題や、一部謎なキーワードも抽出してみます。
これ、何がどういう話??という部分を、ぜひご視聴して探してみてください!


・「記録から表現をつくる」の過程、すごろく方式説
 「ひとつ戻る」→細かいところに戻って、出会い直す、記録の方法を変える。自分ひとりでやらない

・どうする?が問われるのが記録

・一見ジャーナリズム講座かと思われるけど、ラフです

・相手の語りを聞いて自分で発するワーク、演劇と聞き書きと絵と、どうちがう?

◎具体性
・出会ったものに対して、具体的なことや細かいプロセスを相談している場だった
・複数の具体性が集まって、持ち寄って話してる場。実践の中に生まれるものを考えるワークショップ
(具体的なことを共有しているからこそ話せる)
・概念の論争、してない

・個人的な、身近なことからでもいいんだよ

・目的を共有してる場/アウトプットの方向性で集まる場とのちがい

・よく聞く、よく見るができるようになる → ハッピー

・安全、安心、平和、健康 ←(?)

なにかをつくることが、受け渡してくれた人へのリアクションになる

大事な要素が細かく散りばめられたワークショップの中で、振り返りを聞いていて印象的だったのは、2日目の第五福竜丸展示館訪問。
学芸員の市田真理さんによる言葉のワークショップと、展示館を会場に小作品をつくってみる日についてのリポートです。

第五福竜丸展示館での言葉のワークショップ

「市田さんと出会えたことが今回のワークショップのハイライトだよね」「人びとの声を引き受けて、自分なりに編集して他者へ伝えていく行為を続けている市田さんのお話を、葛藤も含めてお聞きできたことが大きかったよね」
という感想を聞いていて、参加してみたかった~~と心の底から思いました。

(↓市田さんが以前出演してくださったテレビノーク回も便乗して貼ります↓)


つくった小作品を市田さんにコメントしてもらえるひとときも尊い…。参加者が自分なりに受け取って形にしたものが、現場に常にいる人にとって切実な部分と呼応する。それがほんのわずかな間であってもできる。
なにかをつくることが受け渡してくれた人へのリアクションになる、と心に留めておけば、どう聞くか、どう記録するか、どう表現するか、どの部分においても変わってくるよなあ、とも思いました。

参加者の小作品

ワークショップの特性について、「何をどこまで共有してるのかわからないところで相手に見せるからこそ考えたり、逆にここはやってもいいかもって勢いも生まれたりする。この両方起きてる」「最後に場を作る、そこが語りの場であり継承の場になっている」と小屋さんからコメントがありました。
市田さんとのやりとりにも、最終日にみんなでつくったものを持ち寄る時間にも、いつの間にか仲良くなってるみなさんのあいだで、それぞれ語ったり聞いたり受け渡したり、という瞬間があちこち起こっていたのだろうなと配信を見て想像しました。

最終日の様子

この「記録から表現をつくる」の展示も、開催に向けて動き出しています。
乞うご期待です!


今後のテレビノーク配信

直近のテレビノークは#16。12月6日(水)20時から生配信。
10月に瀬尾さんがリサーチに行ったインドネシアの模様を、共に訪れた編集者の柴原聡子さん、建築家の小林恵吾さん、さらに小林研究室の学生の皆さんをお迎えしてお話します。
配信中のチャット欄でのコメント参加、大歓迎です。


漫画家、かつしかけいたさんをゲストにお迎えした#15の「東東京を歩く」も絶賛アーカイブ配信中です。お見逃しの方はぜひ!


そのほか、展覧会やメールニュースのおしらせ

そしてそして、現在studio04で開催中の展覧会「とある窓」も、残り1ヶ月となりました!
集まったリサーチャーたちによる聞き書きと、水俣在住の写真家・森田具海さんが今回のために撮りおろして下さった西大島の窓を介した風景。
ぜひ駆け込んでご鑑賞ください〜!
(オープン日にご注意ください)


定期購読マガジン『𝐍𝐎𝐎𝐊 𝐋𝐄𝐓𝐓𝐄𝐑』も引き続き毎月お届けしております。
11月号もいろんな土地のお話が詰まってます〜!

《11月号のラインナップ》

語らいの記録:「山に入ればお腹がいっぱいになるよ (パレスチナ料理店の店主)」(瀬尾夏美)
今月の絵手紙:「ことばと親しみ」(磯崎未菜)
今月のエッセイ:「城崎にて」(中村大地)

(マガジンの収益は、NOOKの活動継続の資金として大事に使わせていただきます。)


メンバーそれぞれ、あちこち旅して回ってるNOOK。
テレビノークなどで、旅のお伝えや、そこで出会った声を、引き続きゆるゆるとお届けしていきます。
どうぞよろしくお願いします!


レポート:佐竹真紀子(美術作家)

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