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少しずつ、異文化を教える

物心ついた時から息子は、母親のわたしが友人知人や、コロナ前は外出すると外国人観光客に話しかけられ、電車の乗り換えを伝えるといった、英語でのコミニュケーションを取る姿を見ている。肌の色や目の色が違う人たちが近くにいたり、学校の英語の授業でもネイティブの先生に物おじしていない様子だ。

先日の夕食時に、「少しずつ、そして今までより異文化を教えないといけない」と思うことがあった。
近所のスーパーに寄って買い物をしていると、グレーのニット帽にダウンジャケット、中肉中背の男性が通路の反対側から歩いてきた。たまたま目が合い、マスク姿の彼の目の色が青いことに気づいた。肌のトーンも白人のようだ。わたしは目をそらすことなく、「日本語わかるのかな。買い物に不便がないのかな」と思っていた。彼は、目をそらさない日本人のわたしに驚いていた様子だった。

その話をすると息子は「寒かったら、上着についてるフードを被ればいいのに。」と言ったのだ。すかさず「英語圏では、それはやってはいけないことなの。」と答えると、息子はポカンとしていた。

「あなたはアジア人の男性でしょ。英語圏とかで人種差別がひどい地域だと、パーカーのフードをかぶってコンビニとかの店に入ったら、それだけでアウトになる。追い出される可能性もある。仮に店に入れても、お金を払って商品を買うまで、要注意人物と勘違いされてしまうよ。」と説明すると、息子は「えー?」と言い納得出来ない様子だった。

「異文化に驚くって、こういうことなんだな」と素直に思った。

コロナウイルスに有効なワクチンが摂取出来るようになり、医療体制面で様々な問題がクリアになれば、また日本は外国人観光客を受け入れるのだろう。以前のように街中で、外国人観光客をあちこちで見かけるようになることも想定出来る。

今年東京でオリンピックが開催されるか否かは現時点ではわからないけど、異文化を知っておいたほうが色んな面でプラスになるかなと思う。

異文化を知っている=異なる文化を完全に理解しなくちゃいけない、と思っている人もいるけど、

異文化を知っている=自分の文化との違いを受け入れている、で良いと思う。

「こういうものなんだね」という方が身構えなくてよいし、疑問があったら聞けばいい。もっと身近に感じたり、興味が出てくるかもしれない。

息子が英語圏の文化に興味を持つかはわからない。わたしたちのルーツの一部のロシア文化に興味を持つかもしれないし、他の文化に興味を持つかもしれない。息子に色々教えてもらえる日がくるかもしれない。そう思うと母として楽しみが、今までより増えてくる。それまではわたしが少しずつ、英語圏の文化を教える日々になりそうだ。


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