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デジタルネイティブ時代のラストワンマイル

雑文なので、ご容赦を。

マーケティングをどちら側から考えるかという議論がある。
それはクリエイティブ側から考えるのか、それとも顧客側から考えるのかという議論となるときがある。
正統派のマーケティングからしてみれば、両方+ブランドという軸で考えることがマーケティングだという理論になるのかもしれない。
ここではマーケティングをデジタルソリューションの観点で見たときに、大きく対比できる、クリエイティブ側から考えるパターンと、顧客側から考えるパターン、の二軸をあえて対比してみたいと思う。

1社はAdobeで、もう1社はSaleforceである。
Adobeはデジタルエクスペリエンスの向上を標榜し、エクスペリエンスクラウド(旧デジタルマーケティング)、とPhotoshopやIllustratorなどクリエイティブクラウドとの連携を強みとしている。

Saleforceは、彼らのコアビジネスであるCRMデータを使い、効果的かつ効率的なデジタルリーチアウトを実現するマーケティングクラウド (exact target)を提供している。

どちらのアプローチが正しいかという議論は、もはや宗教論争とベンダーの嗜好性の違いなのであまりしないが、私はAdobeの方がコンセプト的には好きである。そもそもデジタルという言葉本来のマーケティングの中に内在される時代において、つまりはデジタルネイティブな時代になっている中で、デジタルマーケティングという言葉自体がナンセンスだということもよく聞く。(ここについては激しく同意である)

一方で、デジタルネイティブな時代において、エンドユーザーと企業を繋げるラストワンマイルは、クリエイティブだとも強く思っている。これは本質的に、企業からエンドユーザに対して発せられるメッセージが正しかろうが、タイミングが正しかろうが、消費者が企業から受け取るメッセージに反応するかどうかを決めるのは悲しいほどに一瞬であるからである。
そして、メッセージに対して目を通させるかどうかは、明らかにそのクリエイティブの質にかかっている。ただこれは旧来の広告代理店が得意とするきれいな絵や写真やタレントを使えばいいということではない。データに裏打ちされたクリエイティブこそが最大の力なのである。

その中でAdobe自身も気づいていない力が、クリエイティブクラウドとエクスペリエンスクラウドの連携なのである。
クリエイティブを制作とコンテンツ配信は一貫することが大事だということは、ここ数年言われていることだが、そもそも論としてその過程の制作フローをシームレスでリアルタイム化することが最大のポイントなのである。

近年のAdobe Senseiの力はめざましく発展しており、クリエイティブレイアウトの自動作成、Webページのレイアウト構造の調整をカスタマーアトリビューションをもとに最適化してくれるなどの機能が格段と成長しているという。
https://www.adobe.com/jp/sensei.html

上記でパターン化できたクリエイティブを如何にしてワークフローに乗せて関係者全員が確認できるワークフローとプロセスを構築するということが製作工程の効率化と配信に大事になるわけだが、Adobe XDはまさにそのプロセスとワークフローを可視化し最適化し、クリエイティブ制作過程と配信過程を連携するハブとしの役割となるのである。
https://www.adobe.com/jp/products/xd/details.html

そしてAdobe Experience Managerは、そこから受け取った情報を最適な形でディストリビューションをする機能を整えている。
https://www.adobe.com/jp/marketing/experience-manager.html

つまりレイアウトの作成プロセスを一連のソリューションの連携に包含していけるというのがAdobeの強みである。

AnalyticsやTargetなどもこのディストリビューションにあたっての情報分析のツールとテストツールとして利用することができるだろう。

もちろんAdobeのソリューションは玄人好みだ。(SFDCのExact Targetも似たようなものらしいが)。

その一方で本気でデジタルネイティブ時代のマーケティングの本質にチャレンジしたいと思う人達には有益なツールであることは事実である。

機会があればSaleforceについても触れてみたいが、正直言ってCRMで個人情報持ってれば何でもできて当たり前じゃん的な感じはしている。逆にリーチアウトした結果としてなんの魅力もないクリエイティブを見せられた方が時間を無駄にした感があるのではないだろうか。

とはいえ、こちらも凄さがあるので、時間をみて書くことにする。

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