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【50代の大学生日記 最終話(第58話)】ああ、卒業式で泣かないと~

 3年にわたってお送りしてまいりました「50代の大学生日記」シリーズですが、ついに今回が最終回となってしまいました。私が「50代」を卒業し60代になるまではあと9ヶ月ぐらい猶予があるのですが、それ以前に、私は今年度、めでたく京都芸術大学通信部 芸術学部芸術学科文芸コースを卒業したので、明日からは大学生ではなくなるからです。しかし、私から「学生」の肩書きを取ったら、「フリーター」「無職」になってしまいます。Noteで有料記事を書いて、確定申告できるぐらいになったら「文筆家」と名乗れるのでしょうか? まあ、そんなことはさておき、一般的に入学はいたって簡単だけど卒業できる率はぐーんと小さくなる通信制大学に、これから入学を目指そうという皆さんや在学生の参考にしていただけるよう、最終回は私の大学生生活を振り返ってみましょう。

京都芸術大学


 まず、卒業について、私といっしょに卒業された皆さんは、ほとんどが仕事をしながら、あるいは主婦として朝早くから子どものお弁当を作ったり、家族の介護をしながら、それでも学ぶんだという入学時のアツい思いを継続実践して、最後までやり遂げた人たちばかりなので、卒業式はみんな笑顔! 「〽ああ、卒業式で泣かない~と、冷たい人と言われそぉ~」(by 斉藤由貴)なんて言う人はいません。会社員を辞めて、失業保険をもらえるうちに学業に専念して単位をとりまくって、あとはバイトをしながら卒業だ・・・・・・とか、簡単にスクーリングに通えるところじゃないと面倒だから、京都の大学以外の選択肢はないなぁ・・・・・・などと、すべて計算ずくで入学した私には、同級生たちに対し尊敬の念しかありません。

卒業式 味のある書やなぁ


 そんな私にとって、今回の卒業式は感慨深いものでした。というのも、私は30年以上勤めた会社を卒業するとき、「卒業式っぽさ」がほぼ皆無だったからです。私が会社を辞めたのは、コロナ禍による業績不振で経営再建のために募集された早期退職に手を挙げたからでした。ちょっと前までは、定年退職の日にはスーツを着て出社し、社内の各部署を挨拶回りして、本館4階の赤じゅうたんが敷かれた会議室で幹部と昼食会をし、午後の始業の前に職場の全員集会で挨拶をして花束をもらい、定時になると多くの人に見送られて去って行くというルーティンがあったのですが、私の退職日はコロナ禍で非常事態宣言が出ていたので(そのおかげで失業保険は支給期間延長の特例の恩恵を受けた)、職場の過半数の人は在宅勤務だし、ソーシャルディスタンスを確保できない集会は禁止なので集合しての挨拶もなく、当然のことながら送別会も無期延期(ぼちぼち開催してくれるかと心待ちにしていますが全然お声がかからない・・・・・・)だし、私は会社からオンラインでグループのメンバーだけに簡単な挨拶をして、その日出社している後輩たちに、「お先に失礼します」と、ふだんと同じ言葉だけど今日だけは少しばかり意味合いが違う挨拶をして、勝手に記念品としてもらうことにした、長年愛用のヘルメット(25年ぐらい使ってるので現場の油煙と私の汗と垢が染み込み、捨てるしか道がないような代物)をバッグに入れて、会社を去ったのでした。いよいよ会社を出るとき、すでに人事部に社員証を返却したので、会社のゲートを通ることができず、警備員のおっちゃんに「今日で退職しますねんけど、社員証はもう人事に返したからゲートを通れまへんねん」と声をかけ、柵を開けて出るときに、おっちゃんが「長年お疲れさまでした!」と立ち上がって敬礼してくれたのが唯一の「卒業式っぽさ」でした。それだけに、今回の卒業式でようやく人生の節目らしさを感じ、受け入れられたわけです。

入学当時 マスクの下はヒゲ面だった私
 

 さて、私の2回目の大学生3年間の成績は、3年次編入で卒業要件62単位でいいところを75単位ゲット。1回目の大学生のときにはそんな概念がなく、最初は何なのかわからなかったGPAは通算2.89でした。1回目の大学(工学部機械工学科)の成績表から試算したGPAは1.89だったので、50代後半にして大躍進です。
 1回目の大学時代には「秀(S)」という成績評価はなかったですが、現在の秀(S)と優(A)を合わせたものに相当する「優(A)」は4年間通算で19個だったのに対し、2回目は3年間で「秀」が10個、「優」が29個もあり、落単ゼロ、これまた大躍進です。今後私は「工学士」という肩書を封印し(名乗ったこともないけど)、「芸術学士」と名乗ることにします。 今後の私ですが、まずは「文筆業」で収入を得られるようになるのが目標です。Noteでは、「50代の大学生日記」シリーズに代わり、「アラ還オヤジの目指せ小説家!(仮)」シリーズを始めようと思います。卒業後も日々楽しく続けている小説の執筆について感じたことを日記風に書いたり、短編小説を有料記事で掲載したりしようかなと思ってます。
 実は、私の大学の担任の先生(小説家&YouTuber)が、わかつきひかる先生とコラボしているYouTube動画で、わかつき先生が提唱している「文章を仕事にするなら、まずはポルノ小説を書きなさい」という言葉に触発され、早速先生の本を読み、毎日長編ポルノ小説を書いています。『ポルノ小説の新人賞は上手な小説を選ぶ賞ではありません。ポルノ小説にはツボがあり、そのツボが押さえられていないと、小説がいくら上手でも、いくらセックスシーンがあっても、新人賞を受賞することができないのです。逆に言うと、ツボを押さえたらデビューは簡単。高い文章力もいりません。童貞や処女でも書けます』ということで、非モテで性欲も枯れているおっさんが、実際にはありえない恋愛を日々楽しく執筆しています。
 参考に買ったポルノ小説を読んでいますが、若い頃はハアハアムラムラして読んでいたのに、今や「なんておもしろい表現なんだぁ(笑)」とか、「うわぁ、その表現は盛りすぎやろ~」とか、「おおぉ~、この比喩表現は秀逸やなぁ」とか、思いながら読んでます。

現在の愛読書1


現在の愛読書2

 私の人生は残り少ないので、とりあえず足跡を残すならポルノ小説だ~! とバイトから帰ってくるなり深夜まで妄想の世界に浸って執筆しています。左腕で腕枕をして女性の両肩をどの程度抱くことができるのだろうかと、抱き枕で実験をしたり、キスをしたまま腕をどこまで伸ばせるのかと抱き枕で実験したり、この体位からこの体位にチェンジするのに、身体はどのように動かせばいいのだろうと抱き枕で実験したり、59歳にして抱き枕を相手に妄想に浸る生活ですが、こんな生活も日記にすればおもしろいでしょう。四月からの新しい「守山もりお」を、変わらずご贔屓のほど、よろしくお願い致します。



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