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「結(ゆい)」「三方よし」「話し合い」「萬(よろず)の神」という日本の文化と「公共善エコノミー」

地域のソーシャルバンキングや中小企業支援に尽力されている元第一勧業信用組合理事長の新田信行氏は、『公共善エコノミー』日本語版の推薦文でこう述べられています。

「従来の会計手法では、本来の日本的経営の価値を認識出来ません。日本の中小企業の事業価値を顕在化し、更に磨き育てるための世界との共通言語として、公共善エコノミーに注目しています」

公共善エコノミーは中央ヨーロッパ生まれの新しい経済コンセプトですが、新田氏も感じられているように、日本の文化と親和性があります。日本の風土や歴史が育んだ共同体の精神や、そのなかから生まれた日本企業の「日本的経営」の価値やその実践は、公共善エコノミーのそれらと接点が少なくありません。

例を上げると、相互扶助の精神である「結」、近江商人の経営理念である「三方よし」(=売り手よし、買い手よし、世間よし)、理屈だけでなく感情も含めた一致を粘り強く探る「話し合い*」の文化、そして「萬(よろず)の神」という言葉に集約される日本古来の自然観です。

公共善エコノミーは、資本主義社会のなかでなおざりにされてきたこれら日本的な価値を「顕在化」させ、「磨き育てる」ことを促していくのではないかと思います。


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