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雑木林

日本では、「雑木林(ざつぼくりん)」という言葉が、材としてあまり価値がない広葉樹の森を指す言葉として、とりわけ戦後、林業政策的に流布しました。

世界大百科事典にもこう書かれています。

〈ぞうきりん〉ともいう。有用材にならない樹種を雑木という。普通,針葉樹は用材としての価値をもつのに対し,広葉樹の中には用材として利用できない樹種が多い。したがって雑木林とは一般に薪炭用材林を含め,落葉広葉樹の二次林をいう場合が多い。コナラ,シデ,リョウブ,ヤマハンノキなど人里に近いところにある若い林をいい,環境保全林として,とくに都市近郊では貴重である。

では「雑木」や「雑木林」の語源はどこにあるのか、気になったのでちょっと調べてみました。下記の帝京大学薬用植物園管理室 木下武司のサイトが詳しく書かれていて参考になると思いました。

http://www2.odn.ne.jp/~ha.../topics_&_items2/zokibayashi.htm

「雑木」という語は貝原益軒の『大和本草』(1709年)に見ることができるようです。そこでの「雑」は豊かな生物多様性の意味で使われていたようです。

雑木、雑木林が、今日流布しているように、木材としてあまり価値のないものというイメージで使われてるようになり、百科事典にもそう表記されるようになった要因については、Wikipediaなので、情報の確実性は保証できませんが、こう書かれています。 

昭和30年代に林野庁が拡大造林の方針を打ち出し、それまであった雑木を主体とする自然林を伐採し、スギ・ヒノキなどの「有用樹種」を植樹し人工林に置き換えていったが、その際に呼称を区別することで利用価値の無いものといった印象を与える目的で、雑木を「ぞうき」ではなく「ざつぼく」と表現し、植林行政を推進した 

https://ja.wikipedia.org/wiki/雑木

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