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カリオストロの城のルパンを父親として見たら膝がびちゃびちゃになった

昨日の記事の続きです。
カリオストロの城のルパンは50歳。引退を決めていたけれど偽札からクラリスの記憶が蘇って引退を先延ばしにした。
クラリスに対しての立ち振る舞いは父親としてのもの。クラリスを救うためにカリオストロに行き、クラリスを自立させるために去った。

という解釈をもって劇場に行き、十何回目かのカリオストロの城を見ました。

なんということでしょう。映画を見て気づいたこと。
この解釈には矛盾がいっぱいだったではありませんか。
まず年齢的な矛盾。ルパンは物語の中盤、怪我で寝ている時に仲間に告白をします。

「10年以上前、オレはやっきになって売出し中の青二歳だった」とルパン
まず50歳という年齢設定を見直さなくてはいけない。
青二歳時代をギリ28歳として、10年以上を12年前としてみます。その12年後なので40歳。

クラリスは17歳なので、父親の立場設定はギリいけそうです。
次にカリオストロに向かった動機。これも同じシーンでルパン自身が言います。
「情けない話さ、指輪を見るまであの娘のことを忘れていた」

これで冒頭の偽札を見た瞬間にクラリスを思い出して、クラリスを救うために引退を先延ばしにしたという解釈はくずれます。
しかし、それでもめげません。
ルパンが本当のことを言っているとは限らない。照れ隠しかもしれない。

もうひとつの仮説。
偽札を見た瞬間に矢も盾もたまらずカリオストロに向かったのは、記憶の奥に閉じ込められていたクラリスの記憶があったから。
自分でも気づいてい記憶に突き動かされたからのです。

映画の中の登場人物の告白は3種類ある。
一つ目は真っ直ぐな告白。これは真実を語っています。
二つ目は嘘の告白。何か意図があって嘘をついています。

そして三つ目は嘘じゃないけど真実でもない告白。
記憶が書き換えられている。忘れている記憶から感情や動機が呼び起こされる。。
これらを説明すると、自分でも気付かないうちに真実と違う言葉になる。

人間なんだもの。
矛盾はいっぱいありますよね。
解釈違いを乗り越えて、この映画のルパンのふるまいは全てクラリスの父親的立場だから、として最後まで見ました。

父親なら娘のために屋根を飛び越せそうだ。
父親なら娘のために湖の水を飲み干せそうだ。
娘が5日後に無理矢理結婚させられる状況なら、胸を撃ち抜かれていても5日で治りそうだ。

娘が困っていたら、地球の裏側からでも飛んでいく。当然じゃないか。
シートから背中を浮かせて前のめり。涙が顎からこぼれ落ち続けてたらしい。
「完」の文字で我に帰ったら膝がびちゃびちゃで冷たかった。

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