見出し画像

「ジャニーズ事件」の影響はこれから始まる?

【ある高校で起きた暴力事件の話】
暴力事件が起きた高校出身の生徒が、自身は暴力とは関係なくても「出身が同じであれば同じようなものだ」と思われ、高校卒業後に就職先も見つけられず、引きこもりで長く暮らした挙げ句、犯罪を犯した。

例えて言えば、そういうことと同じなのだ。

【外国のニュースが重要なんですね】
この記事を書いている時点での日本語のニュース、日本語のYouTubeはジャニーズ事務所事件一色だが、他の国ではもちろん違う。ジャニーズ事務所事件そのものは、先進国ではあるが衰退しつつある日本というこの地域の小さな出来事に過ぎない。世界的なニュースでは大地震での死者1000名超、などが主なものだ。外国では世界的に信頼の高いと言われている英国BBCニュースがジャニーズ事件を報道し、主に英語圏を中心にその内容が知れわたることになった。

【小さな事件?】
この世界的な視点から見ると、日本のエンターティンメント業界で、おそらく一番の影響力のある大会社での「不祥事」は、外国、特に欧米から見ると「小さな衰退しつつある先進国の中で起きた大事件」なんだね。

【実は欧米では「大事件」】
ホリエモンもよく今回は引き合いに出す米国での「エプスタイン事件」。古くは児童虐待で今でも問題になっている「マイケル・ジャクソン事件」。「いやなことをされた」「しかも(自己表現力のない)子供を相手にした」という「弱者相手の人権侵害事件」は、実は日本で感じている数百倍の感度で、欧米では取り扱われる。

【「日本忌避」がやってくる】
だから、今回の英語圏での「ジャニーズ報道」は、明らかに日本よりも欧米での「日本忌避」を生むことになるのは、確実なのだ。つまり単に「ジャニーズ事務所」という会社の問題どころの話ではなく、ましてや創業者の間違った行いだけの問題ではない。海外の企業との取引がある日本企業全体の問題なんだね。あるいは、海外で活躍している日本人の信頼の問題なのだ。

「あんな会社が大きくなれる日本という地域と日本人は、なんというところだろう。そこで作られた日本製品は買わないことにしよう。児童の性的な奴隷労働で作られている可能性が高いから」

ということになってしまう。

つまり、ジャニーズ事務所の話とは、外国から日本と日本人がそう見られる、ということと同じなんだな。

だから、大きな問題なんですね。

【巻き返しはできるが】
でも、最初の例え話の「暴力事件で有名な高校出身の高校生」でも、本人の持って生まれた素質と厳しいトレーニングで社会人野球で認められ、目覚ましい活躍をしたら、ちゃんと社会に認められる存在になるのだが、普通のその高校の卒業生にしてみれば「その高校を出た人、というハンデを取り返すのに、多大な努力が必要だ」ってことだよね。でも不可能ではない、ってことでもある。全員ができることでもないけれども。

「ある高校で起きた暴力事件」は、その高校出身者全員の社会での格を下げ、就職をしにくくし、その高校出身者の多くの将来を奪う、という結果になるだろう。

なにが問題になって、いまこの時に、こんな騒ぎになっているのか?というのは、つまり、そういうことだ。性的な虐待が、誰によって何時行われたかが、今回の事件の本質ではない。「日常化した性的な年少者に対する性的虐待をしてきた日本の芸能事務所の問題が英語圏で公的に報道・認知されてしまった」こと自身が大きな「事件」なんだね。この「報道事件」で、世界的なレベルであからさまになったのは、こういったことを許し・無視し・放置してきた日本と日本人、その文化が持つ下劣極まりない、と言われても言い訳のできない所業なんだね。つまり、日本企業や日本人は、今後、西欧社会の価値観の中では、この会社とそこに関係する組織や社会を否定しない限り、生きる場所を失う、ってことだね。

【過去といまはグローバル化が違う】
かつて日本国内の裁判でもジャニーズ事務所が負けた過去のある同じ問題が、いま、この時代では、企業活動や個人活動のグローバル化によって、日本ローカルの問題として「だけ」扱うことが不可能になったのだ。だからといって「グローバル化が悪い、止めろ」とは、言えないところに、日本という地域全体に住む人は、現実にいるのだ。凋落が続いているとはいえ、日本は他国、特に西欧各国との関係性をしっかり保って生きて行かなければならない「先進国」の1つ、と認められているからね。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?