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高齢化するジャズライブで考えたこと

【スタンダード・ジャズ・ライブに行ってきた】
久しぶりに、昨晩はジャズのライブに行った。場所は神奈川県の某所だから、知っている人は「あぁ、あそこ」というところではある。席は30ほどだが、来ている人は20人くらい。音楽は1960年代くらいに日本で流行ったスタンダートなジャズのボーカルナンバーだ。

【ジャズは高齢者のもの?】
こういったライブは、今は、ステージに登るプレイヤーも、客席もまず例外なく「高齢者」だ。自分も高齢者だが、自分より高齢の方が多い。自分の年齢は「高度経済成長期後」なんだが、来ている方はほとんど明らかに「高度経済成長期に人生の一番良い時代を過ごした人たち」だ。年金も多いのだろう、帰りのレジで払うお金を気にすることもない、という感じの世代だ。その時の店で一番若いのは、ウエイトレスのアルバイトの女性だった。

【いまどきのライブを聞きに行くのに必要なお金の話】
ちなみに、ライブのチャージは、3千円台、それに飲食が加わると、一人あたりライブでの食事は6千円くらいか、それ以上だ。おそらく近隣に住んでいる人ばかりだろうと思われるので、そこからタクシーで自宅に戻っても、プラス2000円以内。一晩のライブの楽しみで、一人あたり1万円弱、というところだろう。

【高齢者の音楽?「ジャズ」】
見れば、身体も良い人がそうはいないので、その子供に自家用車で連れてきてもらったり(子供といっても50歳代くらいだったりするのだが)、ライブの前半で、途中の休憩時間に帰る人もけっこういる。帰りしなに会話を聞くともなしに聞けば「妻が身体が弱くて、そろそろ帰らないと」などの話が聞こえる。本人も腰が定かでない歩き方だ。さらに「健康に気をつけて」いるから、毎週何回かフィットネスクラブに通う、という人も多いようだ。そういう会話も聞こえる。

【「◯◯的」ジャズの夜】
こんな感じでの「お達者クラブ的」ジャズの夜は、午後7時位から10時位までなんだが、これは、おそらくジャズだけではない、多くのカルチャー的レベルが高い、と言われている音楽分野では、日本では普通の光景になった感じがする。まさに「高齢化社会」を、絵に描いたようなお店の様子がうかがえる。

【経済の興隆と文化の興隆と継承】
高い文化を支えるのは、経済である。いま、日本の経済の下落はあっても、まだまだ、という感じがある。その経済を支え、この日本という地域の将来、高齢者がいなくなった後の次の世代を考えると、まだ日本にはある富の次世代への無理の無い継承と、高度経済成長期に育った日本の文化の継承、ということをやはり考えざるを得ないのだろう。

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