部下A「面白い研修思いつきました！ちょっと聞いてください！」

私「今忙しいからあとでね〜。」

……

私の会社で新しい試みとして、『管理職研修』が始まった。私と同じ、管理職が集められ、会社で一番成績を出している人が、他の管理職に、"自分のノウハウを教える。"というのが、この研修の目的である。

これだけでは、目新しさはないが、今回、普通の研修と違うのは、最後のテストができなければ、"クビになる"可能性がある。という部分が一味違う。

しかし、私は部下によく質問され、頼りにされているので、問題ないだろう。

……

研修が終わり、いよいよテストである。
テストの内容とは、今回教わったことを理解しているか確認するテストであった。さらに、ここから3ヶ月は必ず教わったことを日常業務に活かすようにとのことだった。

(簡単だなぁ。)

……

4ヶ月後。

研修を受けた管理職の内、9割の人間が突然クビになった。

テストとは、部下が採点者であった。
部下に言い渡されていたこととは、

「先日、管理職研修を行いました。
このシートには、貴方の上司が研修で理解した内容が書かれています。貴方には、これから3ヶ月間、上司を観察し、"理解した"と言っている内容が、日常業務に活かされているか確認してください。」

クビにならなかった1割の管理職は、他の管理職から疎まれていた人物達であった。私も彼らのことを、弊社の不良率をもじり『欠陥品』と馬鹿にしていた。

私「明日からどうしようか…。」