見出し画像

資源回収率を上げるには「手の出しやすさ」が重要

「家から出る紙ゴミのうち、資源回収に乗せられるものがあったらそうしたい」
「燃えるゴミとして出すのとそんなに手間がかからないんなら、資源回収に出してもいい(ごみ袋代減るし)」

そう思っている人って、結構いるんじゃないでしょうか?
でもしてない(できてない)のは、手軽にできないからではないかな。

周防大島町の資源回収の現状

周防大島町は、4町(大島・久賀・橘・東和)が2005年に合併した町です。
旧町時代のしきたりやルールが今も残っていたりして、その中の一つが、古紙回収。地域によって、

  • 社会福祉協議会が主体で、資源ごみ収集場所が設置されている地区。地域の人が常時持ち込め、不定期で回収している。

  • 地域の団体(食推、JA、商工会、シニアクラブ、母推、小学校PTA)が協力して、資源回収している。

  • 自治会運営で、町の未利用施設に古紙回収のストックヤードがあり、住民が常時持ち込める。

  • 自治会等が年に数回資源回収している。

と、様々です。
”資源”なので、業者産に引きとてもらうと売上が上がり、それぞれの団体の活動費の足しにもなっているそうです。

資源回収の仕組みがない地域の方や、頻繁に回収がない地域の人などは、出したくても出せないことも。隣町のスーパーにある回収ボックスに持っていく人もいるそうです(スーパーのポイントがたまる!)。

かく言う私も、年に1回しか回収がない地区で、実は大島に帰ってから、古紙を資源として出したことがありません。

地域団体の収入源にもなっているから、町は手を出しません

これまで、地域住民のゴミ処理に関する意見交換会や、議会の中でも、資源回収について要望はありました。
でも、町がやらない理由として、「やってるところは、地域団体の収入源になっているし、町はやりません」というものでした。
どこに出すかは出す人が選ぶし、そもそも仕組みがないエリアもあるのに、古紙の取り合い(!?)になることを懸念…していたようです。

町が動いた!しかも出先機関が!

そんな中、今月の回覧文書の中に入っていた一枚がこちら。

2023.1回覧文書

橘総合支所(私の住んでいる地域の出先機関)で、古紙の回収が始まりました。
嬉しくなって、電話で経緯を確認したところ、

住民の方から、「今まで古紙回収をやっていたけど、少量だから儲からないと業者が引き取りに来てくれなくなった。なんとかならないか?」と相談があった。隣町のスーパーなど遠くに出しに行けない人もいるので、業者と相談して、試しにうちで回収してみることにした。資源化できないものが混じらないかなど、しばらくやってみたいと思う。

とのことでした。
嬉しい!なんとか資源として古紙を家庭から出したいという住民の方と、町全域ではないけれど、支所として地域住民と一緒にできる方法を考えてくれた役場の方。
こういう形で望んでいた仕組みが動き出して、ほんと感謝感激です。
他の地域にもモデルとして波及できるように、積極的に使っていきたいと思います。

焼却ゴミの減少にもつながる相乗効果

これまで燃えるゴミで処分されていたゴミの一部が、古紙回収により資源になれば、ゴミの削減による経費節減・資源化による収入と、町の財政にも相乗効果が期待されます。
町の焼却施設も老朽化が進んでいて、いつかは建替・広域化を検討する必要があります。それまでに、できるだけ「ゴミ」を減らしていくということは、将来への負担を軽くするための一つのステップになると思っています。
生ゴミや剪定木・草などが堆肥化できれば、ほんとに燃やすゴミは減るんじゃないかなと思います。うちの町でどんな手法ができるか、考えていこうと思います。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?