黒い十人の女

 やっと観ることができました(2022・10・28)!黒い十人の女、市川崑監督。神保町シアターでの大映の女優たち特集のうちの一本。渋谷系(古っ)ではオシャレな映画と言われていたので、むかーしから観たかったけれど見逃していた、豪華女優陣がわんさか出ると聞いただけでもワクワク感高い映画。

 山本富士子の美人ぶりを再確認できて、岸惠子のスノッブさは、当時からきっと日本では浮き過ぎて、手強いパリジェンヌとも太刀打ちできる、更にそれ以上を十二分に感じさせる、あの美しい細い脚にもびっくり(岸惠子さんがパリに行ったのも必然だったのを強く感じました)。岸田今日子さんも俄然セクシーで、宮城まり子さんの可愛らしい若かりし日の、晩年をイメージできるお姿も初めて拝見。中村玉緒さんも可憐だったとは!また軽薄ぶりが板についている、船越英二の洒落っ気たっぷりのブラックさ(日本のマストロヤンニと言われているらしく、昨年末に船越英二特集の映画を上映していました)にもガクガク。

 そしてやはり、見応えのある映画は脚本の力によるのだなぁ、とも再確認。脚本は、和田夏十。市川崑監督の配偶者だとは、全く知りませんでしたが、それぞれの女性たちの口から出る言葉の厚みとナチュラルさ。素晴らしい。白黒映画だから尚更、確かに渋谷系っぽいオシャレな雰囲気が隈なく漂っている、1961年のシネマでした。


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