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教育消費者と学歴社会②

前回は学歴社会が無くならないのには、教育消費者の存在があると言う話だった。 そして、学歴社会をなくすには新卒一括採用を無くすことだと書いた。

では、具体的にどうやって新卒一括採用を無くすかである。これも考えるだけなら簡単である。大学1回生から選考を始め、内定を出せばいい。

企業としては、1回生から選考し、早い時期に内定をだし、その後卒業までは、最長で約3年インターン。その中で新人教育を行うことで、入社後即戦力として働いてもらうことができるというメリットがある。

一方で、学生のメリットとしては、選考が長期になることで、学歴フィルターで弾かれることなく個人を見てもらうことができる。
一方で東大と偏差値で50を切るような私大が同列に扱われることはないだろう。大学受験で努力したことは高い評価を得るべきである。

また、早い時期に新人教育が終わり入社後に一人前に働くことができれば、基本給も高くなるのではないか。現在の社会は、新人の内はまだ半人前だからといって、基本給が低く設定されてるのではなかろうか。この理論の上に企業は胡座をかき、この下で新卒者は仕方ないと泣き寝入りしている。この状況がワーキングプアを生んでいるのではないだろうか。

最大4年間で採用者を見極め、この会社、役割に相性がいいのか判断することができる。新卒一括採用では、見極める期間が1年にも満たない。人間性を判断する期間を比べれば圧倒的な差である。1年しか見極める期間がなければ、本当に会社とマッチしているのか、判断できないだろう。それは新卒者も同じである。早期離職者が多い理由はここにあると感じる。福利厚生を増やし、教育制度を充実させても根本的な解決にはならない。

以前に友人がnoteで就活は結婚と同じだと書いていたが、全くその通りだと思う。お互いに納得しなければ、良い就活とはいえないだろう。少子化社会の現在で、早期離職者が増え、働き手が少なくなることはデメリットでしかない。お互いの相性が良ければ、早期離職者の数は少なくなるだろう。これも新卒一括採用をなくすメリットの一つである。

一方でデメリットとして、大企業による有名大学の青田買いが起こることが考えられる。大企業が有名大学の1回生を対象に説明会を開き、インターンをし、早期に内定を与え、有名大学の学生を囲う。それにより、中小企業は有能な人材を得られなくなるという意見が挙げられる。しかし、早期に内定を与えても、インターンをしながら会社にマッチしないなと学生が考えれば、他の企業へ行くだろう。重要視しているのは、会社と相性がいいかどうかであるため、大企業のネームバリューが欲しい学生は飛びつくだろうし、働きやすい環境を求める学生は相性の良い会社を探し続けるだろう。いわば、就活の多様化である。多様になることで学生は自分のやりたいこと、社会人として望むことを考え続ける。
青田買いが起こっても、考え続ける学生が多ければ深刻な事態にはならないだろう。学歴社会が加速することは考えづらい。なぜなら、どの大学に入ったかが重要ではなく、会社と学生がマッチするかどうかが重要だからだ。

今回は具体的に新卒一括採用をなくすことを書いたが、次回は公務員試験について考えて行きたいと思う。

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