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第66回岸田國士戯曲賞最終候補作を読む

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【第66回岸田國士戯曲賞最終候補作を読む】その9

【第66回岸田國士戯曲賞最終候補作を読む】その9

最後は山本卓卓さんの『バナナの花は食べられる』。

候補者について山本卓卓[やまもと・すぐる]
1987年生まれ。山梨県出身。桜美林大学総合文化学群演劇専修卒業。演劇集団 範宙遊泳主宰、劇作家、演出家。
『うまれてないからまだしねない』(2015年)、『その夜と友達』(2018)に続いて3度目の最終候補。

候補作について昨年3月、範宙遊泳の公演として森下スタジオ Cスタジオにて上演。

■時、場

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【第66回岸田國士戯曲賞最終候補作を読む】その8

【第66回岸田國士戯曲賞最終候補作を読む】その8

8作目は福名理穂さんの『柔らかく搖れる』。

候補者について福名理穂[ふくな・りほ]
1991年生まれ。広島県出身。ぱぷりか主宰、劇作家、演出家。初の最終候補。

候補作について昨年11月、ぱぷりかの第五回公演としてこまばアゴラ劇場にて上演。

■時、場所
 2021年11月中旬、広島県広島市。
 第1話・第4話:小川家の自宅
 第2話:良太の離婚する前の自宅
 第3話:樹子と愛の自宅

■登場人

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【第66回岸田國士戯曲賞最終候補作を読む】その7

【第66回岸田國士戯曲賞最終候補作を読む】その7

7作目はピンク地底人3号さんの『華指1832』。

候補者についてピンク地底人3年[ぴんくちていじんさんごう]
1982年生まれ。京都府出身。同志社大学文学部文化学科美学芸術学専攻卒業。ピンク地底人/ももちの世界 劇作家・演出家。初の最終候補。

候補作について昨年9月、ももちの世界第7回本公演としてインディペンデントシアター2ndにて上演。

■時、場所
 2019-2020年〈現在〉と2001

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【第66回岸田國士戯曲賞最終候補作を読む】その6

【第66回岸田國士戯曲賞最終候補作を読む】その6

6作目は蓮見翔さんの『旅館じゃないんだからさ』。

候補者について蓮見翔[はすみ・しょう]
1997年生まれ。東京都東久留米市出身。日本大学芸術学部映画学科卒業。ダウ90000主宰。初の最終候補。

候補作について昨年9月にダウ90000の第二回本公演としてユーロライブにて上演。

■時、場所
 現代 レンタルビデオショップ

■登場人物
 片山 レンタルビデオ店店員 25歳
 塚田 レンタルビデ

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【第66回岸田國士戯曲賞最終候補作を読む】その5

【第66回岸田國士戯曲賞最終候補作を読む】その5

5作目は額田大志さんの『ぼんやりブルース』。

候補者について額田大志[ぬかた・まさし]
1992年生まれ。東京都出身。東京藝術大学音楽学部音楽環境創造科卒業。ヌトミック主宰、劇作家、演出家、作曲家。初の最終候補。

候補作について昨年9月にヌトミックの公演として、豊岡演劇祭2021で初演された後、10月にこまばアゴラ劇場にて上演。戯曲は「悲劇喜劇」2021年11月号に掲載。

■時、場所
 劇場

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【第66回岸田國士戯曲賞最終候補作を読む】その4

【第66回岸田國士戯曲賞最終候補作を読む】その4

4作目は加藤シゲアキさんの『染、色』。

候補者について加藤シゲアキ[かとう・しげあき]
1987年生まれ。大阪府出身。青山学院大学法学部卒業。株式会社 ジャニーズ事務所 所属。劇作家、作家、歌手、俳優、タレント。初の最終候補。

候補作について2015年に刊行された『傘をもたない蟻たちは』に収録された「染色」を加藤シゲアキさん自ら戯曲化。昨年5月〜6月、東京グローブ座、梅田芸術劇場シアター・ドラ

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【第66回岸田國士戯曲賞最終候補作を読む】その3

【第66回岸田國士戯曲賞最終候補作を読む】その3

3作目は小沢道成さんの『オーレリアンの兄妹』。

候補者について小沢道成[おざわ・みちなり]
1985年生まれ。京都府出身。京都府立朱雀高等学校通信制中退。EPOCH MAN 主宰、劇作家、演出家、美術家、俳優。虚構の劇団所属。初の最終候補。

候補作について昨年8月、下北沢・駅前劇場にて上演。

■時、場所
 現代もしくは近未来。無人の家。全10場。

■登場人物
 絆太(はんた) 兄 15歳

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【第66回岸田國士戯曲賞最終候補作を読む】序

【第66回岸田國士戯曲賞最終候補作を読む】序

先日、第66回岸田國士戯曲賞の最終候補作が発表されました。昨年に引き続き、候補作を読んでいきたいと思います(あくまで白水社が公開してくれることが前提ですが)。

ちなみに昨年の記事は↓

柳美里さん、1年で選考委員を降りることになってしまいましたねぇ…。今回は平田オリザさんの名前もなく、岩松了さん、岡田利規さん、ケラリーノ・サンドロヴィッチさん、野田秀樹さん、矢内原美邦さんの5名で2月28日に選考

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【第66回岸田國士戯曲賞最終候補作を読む】その1

【第66回岸田國士戯曲賞最終候補作を読む】その1

22日17時より例年通り、最終候補作が公開されるということですが、それに先立って既に読んだ作品について投稿したいと思います。
まずは笠木泉さんの『モスクワの海』から。

候補者について笠木泉[かさぎ・いづみ]
1976年生まれ。福島県出身。日本女子大学人間社会学部文化学科卒業。スヌーヌー主宰、劇作家、演出家、俳優。初の最終候補。

候補作について昨年12月、スヌーヌーの第2回公演として下北沢・ニュ

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【第66回岸田國士戯曲賞最終候補作を読む】その2

【第66回岸田國士戯曲賞最終候補作を読む】その2

2作目は瀬戸山美咲さんの『彼女を笑う人がいても』。「悲劇喜劇」1月号に掲載。

候補者について瀬戸山美咲[せとやま・みさき]
1977年生まれ。東京都出身。早稲田大学政治経済学部卒業。ミナモザ主宰、劇作家、演出家。
『彼らの敵』(2014年)、『埒もなく汚れなく』(2017年)、『わたし、と戦争』(2019年)に続いて4度目の最終候補。

候補作について昨年12月、世田谷パブリックシアターにて栗山

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