見出し画像

心の死


すっとずっと死んでいた

心が生きていなかった
ただ息をしてるだけ

心の通わぬあの男
一緒にはいられない
まだ息子たちも幼くて
彼らには父親が必要だとも分かっていた

かなしいとかではない
もう苦しくて
何で生きているのかと

心が通わないのがこんなにつらいものなのか

見えないこころ

いつ死んでもいいと感じていた

ただ子供を育てないと
宝がなくなってしまうよと神様から言われていた

楽しくない
どうして自分だけと
いつも心に闇を抱えていた

外に出ようと思ってもうまくゆかない
何をやってもうまくゆかない

死ねば楽になれるかな
そんなことがふとよぎる
でも死ねない

子供を育てる
それがわたしの仕事だと思って生きてきた

わたしは黙って見守るだけ
陰ながらいつも母が助けてくれていた

いいことなんか一つもない

父の家系が残していったお荷物を背負う

それはあなたにしか背負うことが出来ないからと言われても

人を恨んだり、憎んだりしてはいけないよと諭されても

がんじがらめの人生をどう生きろというのだろう

ずっとずっとそんな風に思っていた

いつの間にか
息子たちも巣だってゆき
支えの母も実相の世界へと還ってゆく

わたしには何もない
空っぽの人生
ひとりぼっち

こころは死んだまま

しあわせってなんだろう
しあわせと言っていれば、思っていれば
しあわせはやって来ると言われても…
しあわせの意味が分からない

わたしに残ったものは神を信じること

あんなに好きだった書くことも出来なくなって
心が死ぬということを知る

哀しみの中
やっとの思いで
自分の気持ちを吐き出して
生きてきた
この一年

誰にも分からない
分かってもらおうとも思わない

分かってもらえるなんて傲慢だ
神様以外

でも誰かに知っていてほしい

だれでもいい

この成れの果てを



この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?