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伝え方が9割 (佐々木 圭一)

(注:本稿は、2013年に初投稿したものの再録です)

 とても評判になっている本なので、手にとってみました。
 コミュニケーションをテーマにした実践的なHow To本です。

 著者のアドバイスは2つ、第2章 「ノー」を「イエス」に変える技術 と第3章 「強いコトバ」をつくる技術 で開陳されています。

 まず、「ノー」を「イエス」に変えるエッセンス

(p110より引用)
●コトバは「思いつく」のではなく「つくる」ことができる。
●「イエス」に変える3つのステップ。
 ステップ1 自分の頭の中をそのままコトバにしない
 ステップ2 相手の頭の中を想像する
 ステップ3 相手のメリットと一致するお願いをつくる
・・・
●「イエス」に変える「7つの切り口」
 ①相手の好きなこと
 ②嫌いなこと回避
 ③選択の自由
 ④認められたい欲
 ⑤あなた限定
 ⑥チームワーク化
 ⑦感謝

もうひとつ、「強いコトバ」をつくる技術は、

(p181より引用)
 ①サプライズ法 ・・・
 ②ギャップ法 ・・・
 ③赤裸々法 ・・・
 ④リピート法 ・・・
 ⑤クライマックス法 ・・・

 この中で特に参考になるのは、オバマ氏も得意としている「ギャップ法」ですね。“これは私の勝利ではない。あなたの勝利だ”
 映画「踊る大走査線」で織田裕二演じる青島俊作刑事の台詞「事件は会議室で起きてるんじゃない。現場で起きてるんだ!」もこのパターンです。

 さて、本書、わかりやすい事例がたくさん紹介されていますが、“できたてをご用意いたします。4分ほどお待ちいただけますか?”といった「なるほど」と思うものもあれば、“いつもありがとうございます。領収書お願いできますか”といった「リアリティが薄い」ものもあって玉石混交です。

 全体としての印象は、軽い内容のHow to本であってそれ以上でもそれ以下でもないといった感じですね。著者の主張は、巻頭に付けられている1枚ペーパーで事足ります。

 私としては、事前の期待値が高かっただけに、ものすごい物足りなさが残った本でした。



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