佐々田 法男

東京在住のビジネスマンです。30年ほど勤めたテレコム系会社を退職し、BPOビジネス会社…

佐々田 法男

東京在住のビジネスマンです。30年ほど勤めたテレコム系会社を退職し、BPOビジネス会社を経て現在はグループの電力関係の会社で働いています。他のBlog(https://blog.goo.ne.jp/sasada)で公開中の読書メモの転載の他、折々のトピックも書き留めています。

マガジン

  • OMOI-KOMI 我流の作法 -読書の覚え-

    私の読書の覚えとして、読後感や引用を書き留めたものです。

  • ひとつ覚えのススメ -Shopping-

    買物・外食等の覚えです

  • ひとつ覚えのススメ -考えるヒント-

    新聞や雑誌の記事を材料に、思い浮かんだことを書き留めています

  • ひとつ覚えのススメ -雑感徒然-

    ノンジャンルの雑感です

最近の記事

生まれたときから「妖怪」だった (水木 しげる)

(注:本稿は、2022年に初投稿したものの再録です。)  久しぶりに近所の図書館に行ったとき、館内の企画コーナーで見つけた本です。  「ゲゲゲの鬼太郎」の作者として有名な水木しげるさんですが、激烈な戦争体験をはじめとした水木さんの想いや言葉は、以前からとても気になっていました。  本書でもそれは大いに語られています。  まずは、水木さんの戦争体験にまつわる想い。  水木さんは鳥取連隊に入隊し「ラッパ卒」に任じられました。しかしながら水木さんは上手くラッパを吹くことができ

    • 海獣学者、クジラを解剖する。~海の哺乳類の死体が教えてくれること (田島 木綿子)

      (注:本稿は、2022年に初投稿したものの再録です。)  佐々木俊尚さんがtwitterで著者の田島木綿子さんを紹介していたので興味を持ちました。  田島さんは、国立科学博物館動物研究部研究員。海の哺乳類のストランディング(本来、海にいるべき生物が岸に打ち上がること)の実態調査や病理解剖に携わっています。  本書は、そういった田島さんの研究活動でのエピソードを材料にしたエッセイです。  本書を通じて、今まで見ることがなかった海の哺乳類の実態研究のリアルな姿とともに、日々

      • マチズモを削り取れ (武田 砂鉄)

        (注:本稿は、2022年に初投稿したものの再録です。)  いつも利用している図書館の新着書リストの中で見つけて手に取った本です。著者の武田砂鉄さんは以前から気になっていたライターさんなのですが、彼の著作を読むのは初めてです。  テーマは「マチズモ」。  恥ずかしながら、私には初見の言葉でした。“男性優位主義” の意とのことで、武田さんはジェンダー平等意識後進国である日本における「マチズモ」の実態を次々に顕わにしていきます。  確かに、今でも様々なシチュエーションで理不尽

        • 思いがけず利他 (中島 岳志)

          (注:本稿は、2022年に初投稿したものの再録です。)  いつも聞いているピーター・バラカンさんのpodcast番組にゲスト出演していたいとうせいこうさんが番組内で紹介していた著作です。タイトルも含めちょっと気になったので手に取ってみました。  著者の中島岳志さんは東京工業大学リベラルアーツ研究教育院教授。固定化された視点に囚われない論考はいい刺激になりますね。  さっそく本書を読んで興味を抱いたくだりをいくつか書き留めておきましょう。  まずは、「第三章 受け取ること

        生まれたときから「妖怪」だった (水木 しげる)

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        記事

          田舎はいやらしい 地域活性化は本当に必要か? (花房 尚作)

          (注:本稿は、2022年に初投稿したものの再録です。)  いつもの図書館の新着本リストの中で見つけた本です。  「セカンドライフに田舎暮らし」とか「古民家再生」とかの話題には興味を持っていたので、タイトルに反応して手に取ってみました。  書かれている内容は、過疎地域での暮らしを踏まえた実態レポートといった体ですね。  本書での花房尚作さんの問題意識は「地域活性化推進の是非」にあります。  過疎地に暮らす人々は、活性化など望んでしない、無理やり活性化させるのではなく、穏

          田舎はいやらしい 地域活性化は本当に必要か? (花房 尚作)

          東大教授、若年性アルツハイマーになる (若井 克子)

          (注:本稿は、2022年に初投稿したものの再録です。)  いつも利用している図書館の新着書リストの中で見つけました。  以前から気になっていた本なので、早速予約して読んでみました。  テーマは「近親者のアルツハイマー病発症」というとても厳しいものです。著者は発病者の奥様の若井克子さん。  若井晋さんが若年性アルツハイマー病を発症されて東京大学を早期退職された年齢が、今の私と近いこともあり、本書で紹介されている晋さんと克子さんの闘病生活での数々のエピソードは、とても身近な

          東大教授、若年性アルツハイマーになる (若井 克子)

          秘闘 : 私の「コロナ戦争」全記録 (岡田 晴恵)

          (注:本稿は、2022年に初投稿したものの再録です。)  いつも聞いている大竹まことさんのpodcast番組に著者の岡田晴恵さんがゲスト出演していて、本書も話題として取り上げられていました。  ご存じのとおり岡田さんは現在は白鷗大学教授ですが、国立感染症研究所で感染症パンデミック対策に従事した経歴を持っています。  新型コロナウィルス感染症発生当初からテレビのワイドショーや報道番組を中心にマスコミに登場する機会も多く、その露出の多さ故か、様々なプレッシャーも受けて来られま

          秘闘 : 私の「コロナ戦争」全記録 (岡田 晴恵)

          山びこ学校 (無着 成恭 (編))

          (注:本稿は、2022年に初投稿したものの再録です。)  以前から気になっていた本です。  戦後の教育に大きな影響を与えた著作だと評されていますし、当時の生活を知る民俗学的観点からも貴重な資料とも位置づけられているようです。  本書に収録された詩や作文を書いたのは1950年ごろの中学生とのことですから、1935年ごろの生まれの私の父母とほぼ同年代ですね。  自分の親や兄弟が出征し、自分たち自身も戦中・戦後の厳しい生活環境を生きている最中、彼らが綴った飾らない文章は心に響

          山びこ学校 (無着 成恭 (編))

          最後の参謀総長 梅津美治郎 (岩井 秀一郎)

          (注:本稿は、2022年に初投稿したものの再録です。)  いつもの図書館の新着本リストの中で見つけた本です。  「梅津美治郎」、名前は聞いたことがあるですが、それ以上の知識はありませんでした。  太平洋戦争の継続に懐疑的であった “最後の参謀総長” のこと、ちょっと気になったので手に取ってみました。  梅津美治郎の人となりについては様々紹介されていますが、当時の軍人としては珍しく “親分肌” といったタイプではなく、頭脳明晰で一見親しみ難い印象を与えていたようです。

          最後の参謀総長 梅津美治郎 (岩井 秀一郎)

          寂聴 残された日々 (瀬戸内 寂聴)

          (注:本稿は、2022年に初投稿したものの再録です。)  瀬戸内寂聴さんの著作は一冊の本になっているものとしては読んだことがないのですが、単発のエッセイを拝読したり、マスメディア等に登場してあれこれお話ししている姿は時折見かけたりしていました。  また、30年以上前ですが、私の友人の弟さんが寂聴さんのお手伝いをしていたことがあり、そのころから何となく気になっている方でした。  本書は、朝日新聞に連載されたコラムを再録した寂聴さんの最晩年のエッセイ集です。  そこに記されて

          寂聴 残された日々 (瀬戸内 寂聴)

          自分の頭で考える読書 変化の時代に、道が拓かれる「本の読み方」 (荒木 博行)

          (注:本稿は、2022年に初投稿したものの再録です。)  いつもの図書館の新着本リストの中で見つけた本です。  最近は “読書法” “読書論” といった類の本は読まないようにしているのですが、この本はちょっと切り口が違いそうだと期待して手に取りました。  著者の荒木博行さんが説く「本との付き合い方」から、私の興味を惹いたところを覚えとして書き留めておきます。  まず、「どのような本を選ぶべきか」について提示した荒木さんのヒントです。  そして、読書経験を重ねるにした

          自分の頭で考える読書 変化の時代に、道が拓かれる「本の読み方」 (荒木 博行)

          東京ルポルタージュ 疫病とオリンピックの街で (石戸 諭)

          (注:本稿は、2022年に初投稿したものの再録です。)  いつも聞いている大竹まことさんのpodcastの番組に著者の石戸諭さんがゲスト出演していて、本書の紹介をしていました。  取り扱っているテーマがとても気になったので読んでみたのですが、予想していたのとはちょっと違ったラインナップでした。  その中から私の関心を惹いたところをいくつか書き留めておきます。  まずは、新型コロナ禍の最中、企画された演劇の上演での気づきを記した「劇場」の章での “ヴァーチャルコミュニケー

          東京ルポルタージュ 疫病とオリンピックの街で (石戸 諭)

          蜜蜂と遠雷 (恩田 陸)

          (注:本稿は、2022年に初投稿したものの再録です。)  少し前に、本書を原作として作られた映画を観ました。  過度な抑揚を抑えた物語の起伏が心地よくて、とても良い作品だと思いました。  観終わって思ったのですが、この作品の舞台がピアノコンテストなので、当然のことながら、ピアノを演奏するシーンやその曲自体が映画のなかでは大きなウェイトを占めていました。  そのあたり「活字」ではどう表現されていたんだろうと。ということで、改めて原作を読んでみることにしました。  映画を先

          蜜蜂と遠雷 (恩田 陸)

          炎上社会を考える-自粛警察からキャンセルカルチャーまで (伊藤 昌亮)

          (注:本稿は、2022年に初投稿したものの再録です。)  いつもの図書館の新着本リストの中で見つけた本です。  ネット社会の闇として「SNSでの炎上や誹謗中傷」が大きく問題視されています 私も、その発生の心理的要因には興味をいだいていたのですが、そのあたりのヒントが書かれているかと思い、手に取ってみました。  本書で扱っている事象は「自粛警察」「炎上」「ハッシュタグアクティヴィズム」「ヘイトスピーチ」「誹謗中傷」「キャンセルカルチャー」などです。  それぞれの解説では興

          炎上社会を考える-自粛警察からキャンセルカルチャーまで (伊藤 昌亮)

          東京の教科書 (JTBパブリッシング)

          (注:本稿は、2022年に初投稿したものの再録です。)  いつもの図書館の新着本リストの中で見つけた本です。  「東京」を多角的な切り口から解説したビジュアル本です。  “教科書” とあるように、国語・算数・理科・社会・・・、といった各科目ごとに「章」立てし、豊富な図版や資料を駆使してテンポよく解説していきます。  期待どおり様々なジャンルの蘊蓄の集まりでどの項も興味深かったのですが、私としては、やはり今の住まいのあたりの話題が気になりましたね。  まずは、「理科(地

          東京の教科書 (JTBパブリッシング)

          ルポ 自助2020 ― 頼りにならないこの国で (石井 光太)

          (注:本稿は、2022年に初投稿したものの再録です。)  いつもの図書館の新着本リストの中で見つけた本です。  今般の新型コロナ禍では生活弱者に対する政府の非情さが際立ちました。  本書は、その現実に対し必死の思いで抗する人々の姿を描いたルポルタージュです。  まずは、「第三章:保育園児の命を守るための闘い―西寺尾保育園」です。  横浜市神奈川区にある私立の社会福祉法人聖徳会「西寺尾保育園」で保育士のひとりが新型コロナ陽性と診断されました。  その際の行政とのやり取りは

          ルポ 自助2020 ― 頼りにならないこの国で (石井 光太)