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イギリスの失敗 「合意なき離脱」のリスク (岡部 伸)

(注:本稿は、2020年に初投稿したものの再録です。
   この投稿以降しばらくはあっさりとした内容が続きます。)

 家族が購入していて読み終わったので、借りて読んでみました。

 本書の出版は2019年8月29日ですから、書かれている直近の情報は、離脱推進派ジョンソン首相があらゆる方策を駆使し10月末の離脱を目指していた途上の様子です。そして、ついに2020年1月31日23:00GMTにブレグジット(英のEU離脱)が実現しました。

 このイギリスのEU離脱ですが、みなさんご存じのとおり、2016年6月23日の国民投票で「投票者の51.9%がEUを離脱することを選択した」ことによるものです。
 当時その予想外の投票結果には、ほとんどの人々が驚きましたし、当然、私もそのうちの一人でした。

 ただ、その驚きは、そこに至るまでのイギリス国内の数々の論点を知っていた故ではなく、本書を読んで、今さらながら「僅差での判断」であった背景等をようやく知ったという有様なわけです。

 著者も指摘しているように、ここに至る要因を「イギリス国民のポピュリズム」だけに求めるだけでは正しくないでしょう。
 今現在(注:2019年当時)のEU域内の政治環境・経済環境等を踏まえ、他方の当事者である “EUの変容と実体” についても、きちんと勉強する必要がありますね。



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