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ハーバードの人生を変える授業 (タル・ベン・シャハー)

(注:本稿は、2011年に初投稿したものの再録です)

 M.サンデル教授「ハーバード白熱教室」以来、ハーバードものがちょっとした流行になっていますね。
 本書も、ついその今どきのタイトルに惹かれて手に取ったものです。

 著者のタル・ベン・シャハー氏は心理学博士で組織行動論の専門家とのこと。内容は、著者のハーバードでの講義(ポジティブ心理学)のポイント紹介です。ポイントは52、それぞれに考え方とアクションが記されています。

 それらアクションの中から、実践してみたいと思ったもの(私の場合、根がずぼらな性格なので、ほとんど実行できないのですが)を書き止めておきます。

 まずは、感謝するということ。

(p10より引用) 感謝ノートをつくる
 この1週間、感謝することを毎日5つ書きとめるようにしてください。・・・書いていることを目の前に思い浮かべたり、書きながらもう一度経験しているように感じたりしてください。

 これはノートでなくても、twitterでつぶやくことでも代替できそうです。

 次に「習慣化」
 私も、これまでやってみようと思ってできなかったことはそれこそ山のようにあります。

(p14より引用) 2つの習慣を実行する
 これをすればもっと幸せになれると思う2つの習慣を考えてください。・・・習慣にすることを決めたら、スケジュール表に書いて実行してください。

 そして、「失敗から学ぶ」ということ。

(p50より引用) つらさを見つめる
 今週1週間、毎日15分間かけて、失敗した経験やその状況について書いてみましょう。

 ちょっと趣旨は違うのですが、この「失敗」に関してはこういう興味深い指摘もありました。

(p175より引用) チームワークのいいチームは「より多くのミスを起こすのではなく、より多くのミスを報告していた」のです。・・・うまく統制されたチームでは「心理的な安全性」が確保されている・・・そこでは、遠慮なく意見を言っても、助けを求めても、たとえある業務で失敗しても、決して恥ずかしい思いをさせられたり、罰せられたりしないという安心感があるのです。

 こういう「安心できる環境」をつくることはとても大事ですね。ただ、この環境の構成要素は「人」ですから、これがまたなかなか難しいのでしょう。

 さて、本書では、数多くの「ポジティブシンキング」に向けたTo-Doリストが紹介されていますが、それらの中で私が最も腹に落ちたののは、「プロセスを楽しむ」という言葉でした。
 結果は結果でしかない、結果もプロセスの一部に過ぎない。だとすると「○○に向けてどうしたか」という「プロセスへの納得性」が最終的なゴールではないかと思うのです。

 その流れではこういうフレーズもありました。

(p88より引用) 最高の出来事が起こるのではありません。起こった出来事を最高のものにできる人がいるのです。

 中村天風氏のいう「人生は、心ひとつの置きどころ」と同根の思想ですね。



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