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鳥獣戯画ノリ #毎週ショートショートnote

昔々、高山寺に鳥獣戯画という一巻の絵巻物がありました。
絵巻物の中には、人間のように喋ったり笑ったりする動物たちが描かれていました。
彼らは絵の中で仲良く暮らしていました。
ある夜のこと。ウサギは仲間たちに内緒で絵巻物から飛び出し、お寺を抜け出してしまいました。
初めて見る世界はウサギにとって驚きと感動の連続でした。
山や川や森や草花。
空と太陽と星と月。
ウサギは沢山の動物や人間と出会い、色々なことを学び、友達を作ったりしました。
そして、この体験を誰かに伝えたいと思い、筆や墨を使って物語を描き始めました。
ノリノリで描くうちに巻物は三巻にもなりました。
寺の住職はその絵巻物に感動し、ウサギに鳥羽僧正という名を与えました。

こうして、ウサギの作った絵巻物は鳥獣戯画の乙、丙、丁巻として日本最古の漫画と呼ばれるようになりました。

ウサギは自分の絵をいつでも見られるように絵巻物の中に戻り、冒険を忘れることなく、絵の中で暮らしましたとさ。

ノリノリという単語の違和感(笑)

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