「探したぞ。貴様がショートショート王か」　　　　　　　　　　
　私の言葉に男は眼鏡の奥の瞳を大きく見開いた。
「……僕が？」
「そうだ。貴様に勝って私が新しいショートショート王になる！」
　男は少し考えるような表情をした後、「ああっ」と手を打った。
「この前、沖縄に行った時に参加した『背負う人しょうと祭り』のことですね？」
「ショート祭り？」
「はい。もちろんご存知ですよね。あの祭り、沖縄が琉球王国だった頃、台風があった時に王様が怪我人を背負って助けたことから始まったらしいですよ。前は『背負う人しょうんちゅ祭り』って呼ばれてたそうです。僕、前半だけは１位だったので、スタッフの人に言われたんですよね。『距離が短ければ勝っていた。お前はショート背負う人しょうとの王様だ』って」
　なんだそれは？
　私の勘違いだったのか……。
　落胆する私を見て、男がニコリと微笑んだ。

「なぁんてね。『ショートショート王様』のお題で作ってみました。さあ、次はあなたの番です」

文字数との戦いでした。
しょうんちゅ祭りが気に入ってます。

こちらで私のショートショート「消しゴム顔」が紹介されました！
嬉しい！！