まぐろが美味しい町は、徒歩3分圏内に本屋が2軒もある町だった。
日本有数のまぐろ水揚げ港として知られる
神奈川県三浦市の三浦三崎港。
北原白秋の詩で知られる城ヶ島で
荒波から守られるなど、
大自然が相模湾をデザインした
理想的な漁港だ
京浜急行の
「みさき まぐろきっぷ」でさらに人気が増した
まぐろ料理で知られるこの町に、
潮風で錆びたラックが店構えに味わいを与える「三崎堂書店」
と、
《人間だもの 話し合おうよ》の一文を掲げる「さくま書店」
という
2軒の町の本屋さんが徒歩3分圏内にあったのだ。
*
20年間で全国の書店数がほぼ半減し、
人口増を維持する私の地元
神奈川県大和市でさえ
近くに本屋がない駅が目立ついま、
なぜ、日本有数の漁港に、
町の本屋さんが2軒もあったのか。
漁師は本好きだったという説もあるが、
私はその意外性に驚き、
まぐろも食べずに
同じ三崎の「海南神社」参拝を終えると、
四代続いた漁師の家の系譜を継ぐ
喫茶「トエム」の
だし巻き卵(ホット)サンドを頬張った。
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