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何のプロフェッショナルでもないので。

と、ほかならぬ「プロフェッショナル 仕事の流儀」で
言い放ったのは田中みな実さんだ。

自虐の裏側にあるもの

その本心は「この道一筋の人にこそ
プロの呼称は相応しい」という自戒だったのだろうか。
あるいは、タレントとしてMCとして女優として、
その都度、仕事で求められる価値に必死で応える姿を
“プロフェッショナル”と自称することへの気後れも
あったかもしれない。

こうした解釈に肯首する方々も、
もちろん多くいらっしゃるはずだ。
しかし、その場で期待される自らの役割を知り、
そこに向けて全力を尽くす心の底には、
「相手が求める以上のものを安定的に供給できる」という
自ら述べたプロフェッショナルの定義
をクリアしている、
という自負もあったのではないか。

生身をさらけ出す姿

60万部超えとも言われる初の写真集「Sincerely yours...」の
人気で実証されたように、
この2020年の“顔”の一人である彼女が、
時代に受け入れられている理由は、
自分自身をさらけ出し、
だからこそ自分が安心できているような
その生身の自分との格闘にあるのではないか。

「飽きてないですか?」と問い、
「使い捨てられてたまるか」と気色ばむ
素直過ぎるその発言に、人々は自らを投影し
共感しているのではないか、と思う。
たとえそれが、彼女自身すら気づかぬ演出であったとしても。

自分を取材した雑誌の原稿をチェックし朱字を入れる場面は、
常にコピーをチェックされる身としては落ち着かない気分だったが、

そのチェックを超えてみたい思いに、ふと、かられた。

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