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シリーズ「将来なんの役に立つの?」問題を解決しよう(2)

さて、2回目です。

この勉強、何の役に立つの?
この知識、いつ使うの?
何で使わないのに勉強させられるの?

という中二の疑問を完全にねじ伏せる回答を探るのが本シリーズの目的であります。

はたしてそんな都合のいい返答があるのでしょうかね。

「昔、田中角栄という人が居てだな…」

などと語り出すのは禁止とします。長々と話したら納得させられるはず、というのは話す側の勝手な思い込み。
中二という生きものは同じテーマの話を30秒以上聞かされると死んでしまいます。

また、トンチ、詭弁のような回答も逃げとみなします。

例えば

「何の役に立つのか、だって?そう、それを探すために学ぶんだよ」

とか。
わかったようなわからないような、モヤモヤが残りますよね。そーゆーズルではなく、正面からいきたい。

そう考えると、大きく2つのアプローチが見えてきます。

まず一つ目は
「めちゃくちゃ役に立つから学ぶのや」
ということを2秒で理解させるアプローチ。その返答を聞けば、なるほど、ほんとに役立つじゃん、がんばろ。となるような、そんな言葉。

そしてもう一つは、
「実際には役立たないけど学ぶことは面白そうだな」
と2秒で感じさせるアプローチ。

さて、しかし。
しかし。
前者のアプローチの危うさを指摘したい。

例えば英数国理社を学ぶことは、本当に将来役に立つのか?

ということを我々は立ち止まって考える必要がある。

どうも多くの大人は「役立つ」ことを善と捉えてる傾向があり、小中高の勉強を、どうにか「将来役立つ」と言えないか、考えてしまうフシがある。

中学生を侮ってはいけない。
「実際に役立つ」論法は多くの場合破綻する。
例えば英語は将来使うでしょ、と言いやすいと思うだろうが「オレ海外行かない派」と言う古参で強力な派閥がありまして、

「何で英語勉強せなあかんの?」
「将来海外旅行するとき役立つで」
「オレ一生日本から出る気ないから」
「そんなんわからんやん、いつか行くかもしらんで」
「ほなその時に学ぶわ、いまいらん」
「……外国の人が日本に来ることあるやろ?その時に話しかけられたら使うやん」
「ここ日本やから日本語喋れって言うわ」
「…もう日本には英語は入ってきててやな、英語使わずに生活は出来へんのやで」
「あ、日本で日常的に使われてる英語は理解してるからそれはええわ。別にわざわざ教えてもらわんでもアップルがリンゴ、タイムが時間というのはわかるし。オレが言うてるのはいちいち追加で勉強させんな、言うことやから」
「……に、入試があるやろ」
「はい出た。入試ね。いま入試言うたね?ほな将来大人になってから役立つわけじゃなくて、入試のためだけに英語勉強させられてる言うことやん。そーゆことでええの?」
「……うっ」
「そもそもな?海外で役立つとか言うけど、学校で英語勉強しただけでどれだけの日本人が海外でコミュニケーションとれんねん?アイキャントスピークイングリッシュ!とか英語できちんと言えてもどーしよーもないねん。相手としっかり会話できないと挨拶程度なら何の意味もねーし。オレは英語が必要なら将来英会話スクールで習います」
「まあ正論やな」

という具合に笑
ボロ負けで目も当てられぬ。

「歴史なんか昔のことやん、そんなん覚えてなんの意味あるの?」

というのも、結構戦いやすいと勘違いしてしまうけど、意外と強いよ。

大人はすぐ温故知新とか言いたがるわけですけど、いくらても論破される。

「歴史学んだら過去の過ちを繰り返さないとか、頭お花畑かよ。んなら、なんで今イランとアメリカ喧嘩しとんねん。寝言は寝て言え」

言われまっせ。

大人はけっこう無意識に強引に「学ぶことには実利がある」と言いたがるわけですけど、その戦法はまあまあ弱いことを自覚するとこから始めよう。

※追記コメント

Twitterにちょうどこんなの流れてきたが、質問に質問で返すのはダサい

[2020.01.17 facebookから]

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