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読書記録 2024年第7週

24.榑松佐一「コロナ禍の外国人実習生 」2月12日


愛知県労働組合総連合の事務局著を務めていた著者がFacebookページ「外国人実習生SNS相談室」を中心に受けた相談をまとめたもの。

うちの会社は、外国人採用を始めた頃から技能実習も特定技能も日本人も同じ賃金だし、サポートも充実してる方だと思うので「技能実習は奴隷制度」と聞いてもピンとこない(給料が安いだとか、生活が不便だとかいう不満は普通に言われるけど)のだけれど、とんでもない会社があることがこの本を読むとわかる。

ちょうどうちの会社が外国人採用を始め、技能実習を雇用し、県外から技能実習を終え特定活動として働いてた方を特定技能で雇った時期と重なっていて、色んなことを頷きながら読んだ。

私の知り合いでも、
・職場以外で日本人と喋るのを禁止されている
・辞めた後に銀行口座を会社に凍結された
・転職が決まったのち退職させてもらえない
・職場で日本人からいじめられている

と言った話を聞いたこともあるし、

・外国人採用を始めた頃に某県の入管の担当者から酷い対応を受けたこと
・受け入れ企業の悪行を管理団体に伝えても何もしてくれない

といったことも経験しており、かなり実感を持ちながら読んだ。

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25.モモコグミカンパニー「解散ノート」2月13日

私の最推しモモコさんの最新エッセイ。予約してたので発売日前日に読み終えることができた。

清掃員(BiSHのファンの呼称)が知らないところで解散がメンバーに伝えられた2019年11月22日から東京ドームでの解散公演が行われた2023年6月29日までの3年半の記録が日記形式で記されている。

私が偶然つけたテレビでBiSHを知り(アメトーク クセがすごい女性グループ BiSHドハマり芸人)、沼にハマっていったのが2019年10月10日なので、清掃員になった時期から解散までのBiSHの裏側やモモコさんの心情をなぞりながら読むことができる。

ネタバレになるようなことは書きたくないので自分語りになるが、私はモモコさんの紡ぐ言葉の強さが好きだ。というか、モモコさんの強さが好きだ。元々はアイナに始まりアユニ、チッチと推しが増え、最終的にモモコさんに行き着いた。頭が好きな人が好きってのもあるけれど、合宿での社長に対する態度(自分の思うことは物怖じせずに伝える)や読書が好きというところにどんどん惹かれていった。今では福岡まで小説のお渡し会に行ったり、ソロライブ見に大阪まで行ったりするほどになってしまった。

モモコさんの言葉の強さ、そしてモモコさん自身の強さはこの「解散ノート」でも余すところなく披露されている。特に一番短い文の日があるのだけれど、その文が私は一番好きだ。そして、多くの部分であえて書かれていないであろう部分が好きだ。

この本を読んでモモコさんのファンで本当に良かったなとしみじみ思った。

発売1週間にして重版決定したとのこと、清掃員ならずとも楽しめる作品になってますので是非手に取ってくださいませ。

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26.リービ英雄「千々にくだけて」2月17日

全集読んだ「世界は文学でできている」の一章で対談相手だったリービ英雄さん。帯に「西洋出身者として初めての日本文学作家」と書かれているけれど、「世界は文学でできている」でもテーマになっていた「日本文学とは何か」について深く考えさせられる作品。

日本で生活しているエドワードが久しぶりに故郷アメリカへと飛行機で向かっている途中に、9.11テロが発生するところから物語は始まるのだけれど、母国語が日本語でない著者が書いているにも関わらず日本語としては何ら問題はない一方で、日本人作家ならしないであろう表現がされていたりする点が意図的なのか否かは分からないが非常におもしろかった(おそらく意図的なんだろうけれど)。

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