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#1 涙のキッス

いや、むしろタイトルは「冬彦さん」とするべきかもしれません

誰も話す人いないので、サザンの思い出書きまくってやろう!というこのブログ

エピソード1、サザンとの出逢いです

1992年、夏 あの伝説のTVドラマ
「ずっとあなたが好きだった」
が放送されます

言わずもがな、このドラマの主題歌が「涙のキッス」でございました

CDジャケット

当時小学校3年、8歳の少年はこれでサザンオールスターズを知ります

小学3年生にとって、あのドラマは恐怖そのものでした

大名曲「涙のキッス」をもってしても、聴くといまだに時折あのドラマの絵面が頭にチラつきます

"マザコン"佐野史郎さんの狂気、"鬼姑"野際陽子さんの恐怖

そして賀来千香子さんの、聞くものに多大なストレスを与えてくるヒステリックな声と悲壮感

全てが子どもながらにショッキングでした

そのクライマックスで毎回流れてくる、ドラマの内容とミスマッチな、やけに美しい主題歌

"なんかこの綺麗な曲、ドラマと全然合ってないな"、と違和感を感じまくりでした

涙のキッス もう一度
誰よりも愛してる
最後のキッス もう一度だけでも

子どもが唯一理解できたサビの詩も、
"いや、このマザコンのドラマと全然関係ないやん"
と子どもながらに思いました

「涙のキッス」がこのドラマの主題歌になった経緯は、あまり語られることがないので、後追い世代としては知る由もありません

桑田さんも先日のラジオのインタビューで  「曲が先にできていたか、ドラマのオファーが先だったかは、覚えていない」
と発言されていました

僕の想像では、ビクター(レコード会社)の

"ドラマタイアップのミリオンヒットの波に便乗したい"

という思惑と、TBSサイドの、

"フジテレビがオフコース(東ラブ)、チャゲアス(101回目)、ときたなら、うちはサザンで勝負!"

みたいなお互いの戦略が合致して、既にできていたこの曲を渡したのでは??

なんていう大人の事情を感じたりします

それはさておき、僕の話に戻ります 笑

「ずっとあなたが好きだった」を毎週嫌々(笑)観ているうちに、徐々にこの曲が気になり出します

そして、姉がレンタルCD屋でレンタルして来てカセットテープにダビングしたところで、テープを時折拝借

聴きまくります

それを見るや、母親がいろいろと教えてくれます

サザンオールスターズ というグループの曲であること

・世間では略して"サザン" と呼ばれていること

・歌っているボーカルは"桑田"(年上の母親はもちろん呼び捨て笑)という人であること

・"桑田"はタ行を「ツァツィツゥツェツォ」と発音すること

随分と雑(笑)ですが、以上4点が、サザンについての母親からのガイダンスでした

兎にも角にも、特筆すべきは8歳をも虜にしたこの曲の素晴らしさです

今改めて振り返って、何がそんなに僕の心を掴んだのかを考えてみました

①桑田さんのハスキーボイス、歌い方

②洋楽を聴いているような、気持ちのいい聴き心地

(桑田さんの作曲法、歌唱法に由来するメロディと詩のハマり具合日本の他の歌手とはなんか違うぞ、というのを無意識に感じたんだと思います)

母親が古い洋楽を耳に擦り込んでおいてくれたのが、ここに繋がった気がします

③美しいメロディ&アレンジ

サザン流AORの傑作、とも言えるこの曲

この時代ですから、アレンジの方向性に関しては、やはり小林武史さんの功績が大きいのかな?と想像しますが、そこはわかりません

当時、桑田さんと小林さんの間でどんなやり取りがあり、あのアレンジに致ったのか、いつかは聴いてみたいですね

先日の住吉美紀さんとの対談での、桑田さんの『「涙のキッス」は、"ハネたソウルミュージックをイメージした"』との発言で、ようやくこの曲が少し理解できたような気がします

詩も、今更ながら改めて考えるとスゴいですね

桑田さんの伝家の宝刀、"夏の失恋ソング"の大傑作

"互いにもっと解り合えてたつもり"

"他の誰かと出逢うために"

なんて切ないフレーズ

中でも、2番の詩が最もヤバいと思います

いつも笑った想い出だらけの二人にも

夜風がそっと恋の終わりを告げる

想い出"だけ"じゃなくて、"だらけ"にするのが、メロディに対しての桑田さん流の詩の乗せ方ですよね

「夜風が"そっと"」
多分作ってる段階の桑田さんは、英語の語感で"satt"とか"said"みたいな言葉を発しているだけなんじゃないですかね

それをこのフレーズに昇華しちゃうのがヤバい

"夜風がそっと恋の終わりを告げる"

この夜風って、夏の終わり(8月末辺り)の夜に吹く、ふと秋を感じさせる冷たい風のことだと思います

この"夏の終わり"="恋の終わり"感こそが、正しくサザンの歌の世界

あぁもう書いてて鳥肌

極めつけです↓

悲しみの時間は過ぎるけど

きっと明日の夢は見ない

いくら時間が過ぎても僕の傷は癒えないし、

貴方を失った僕にもう明日はない

てことですよね?

なんて苦しい歌ですか

これがデタラメ英語の当て語から広げた詩なんですから、やはり桑田さんは神様であることは間違いなさそうです 笑

少々話が妄想モードになってしまいましたが、この曲は僕のサザン人生において、最も付き合いの古い曲であり、聴いた回数No1ではないと思いますが、やはり特別な想い入れがある曲です

こうしてサザンと出逢った

しかしここからサザン人生スタート、というわけではありません
(違うんかい)

この92年の出来事はあくまで最初の出逢いであり、サザン人生が始まるのは、ここから6年後のことです、、、

最後にMVを

このMV、古き良き時代のサザンって感じで、残念ながらムクちゃんいませんが、メンバーの表情満載で、大好き

(アミューズさん、大森さん問題にいつまでもこだわらず、円盤化してください泣)

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