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映画『未来は今』(1994年)のザックリとしたあらすじと見どころ

映画タイトル:未来は今
原題:The Hudsucker Proxy
製作年:1994年 アメリカ
監督:ジョエル・コーエン
 イーサン・コーエン

映画『未来は今』は、

冴えない新入社員の青年が大企業の社長に担ぎ出されることから起こる奇想天外なコメディ映画です。
コーエン兄弟作品の中でも多額の製作費をかけたこの映画。ハイテンションでファンスティックで中途半端な1本!?。

キャスト

・ティム・ロビンス(ノーヴィル・バーンズ)
ハッドサッカー社の新入社員 

・ジェニファー・ジェイソン・リー(エイミー・アーチャー)
真相を探ろうと潜入する新聞記者

・ポール・ニューマン(シドニー・J・マスバーガー)
ハッドサッカー社副社長

・チャールズ・ダーニング(ウェアリング・ハッドサッカー)
ハッドサッカー社社長

映画『未来は今』の見どころと感想

1958年のアメリカ、ニューヨーク。大晦日の夜、ハッドサッカー社屋から今にも身を投げそうな男性がいます。彼の名はノーヴィル・バーンズ。大学卒業後ようやくありついたハッドサッカー社の仕事。はじめは郵便室に配属されていましたが、ひょんなことから社長に就任し、空前のヒット商品を生み出します。がー。

映画は大晦日の夜からノーヴィルの入社当時にさかのぼります。
ハッドサッカー社は玩具の取り扱いを中心とした巨大会社。その社長が突然会議中のビルの45階から飛び降り自殺してしまいます。会社の乗っ取りを目論む副社長のシドニーは、自社の株暴落を画策。そのために新人で仕事がサッパリできないノーヴィルを社長に抜擢します。

この動きに何かあると感じた新聞社は、記者のエイミーを新社長ノーヴィルの秘書として潜入。エイミーは「新社長は無能」という記事を書きながらも次第にノーヴィルの人柄にひかれ始め、さらにノーヴィルが目をつけたフラフープが空前のヒット商品に。

しかしー。

評)ファンタジーともブラックコメディともつかない中途半端さ

コーエン兄弟がはじめて巨額を投じて作った映画です。それまでのインディペンデント映画と違い作りもキャストも豪華。1950年代の街並みや社内、ビルからの落下シーンなど、セットと映像の手の込みようは一見の価値ありです。

ストーリーも普通に面白い。どう冒頭のシーンと繋がるのかな、と。が、個人的には今一つ映画の世界に入り込めない。登場人物のキャラが強すぎて、それをめいっぱいテンションをあげてやりこなしているティム・ロビンスとポール・ニューマン。見る側もかなりファンタスティックな気分でないとしんどい。おまけにこの残念な邦題。

ファンタジーともブラックコメディともつかない中途半端さが、興行的にも振るわなかった(”稀に見る惨敗”とも言われておりますが)原因なのでしょうか。

この後コーエン兄弟は『ファーゴ』(1996年)、『ビッグ・リボウスキ』(1998年)という名作を生み出します。 その前の貴重な失敗作(あくまでも個人的見解です)をぜひ。


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