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父からの宿題の続き

関西の小さな町の小さな田舎集落の不動産の話の続きです。

田舎あるある、空き家問題、高齢者(介護)問題、耕作放棄地問題、人手不足問題に関わるお話です。

都市計画法とか
市街化調整区域とか
特別指定区域とか…
調べてわかったことを法的に、言葉をそのまま正しく書き出すのがいいのか…
はたまた得意分野の違う方でもわかるようなニュアンスで書くのがいいのか…
すごく迷う所で…2話目のnoteが書けずにいます。

1話目はコチラ👇


ただ、依頼人の1人であるきょうだいAに、調べた情報を話してみたところ、情報量が多すぎたのか消化しきれなかったようで、
「詳しいことはいいわ。結果だけ言って」といわれまして…

ま、私ごときの調査で分かったことは、
HOW TO 的に詳しく書く必要はないのかなぁと思いまして。
わかりやすい言葉で概略を誤解がない感じにまとめる方がいいのかな?と思います。

なので、続きはそんな感じで書きますね。



まず、ウチという社会に対してミクロな話から。

「線引き(せんびき)」という言葉を知っていますか?

スマホやネットで調べていただくとでてきます。2番目や3番目あたりに。

②都市計画法で、都市計画区域を市街化区域と市街化調整区域とに分けることを俗にいう語。

大辞林


そう、日本の法律の中にある都市計画法。
昭和46年あたりに、日本に「線引き」したらしいんです。

積極的に街の機能を持たせる場所、賑やかな繁華街、安心して暮らせる住宅街、頑張ってガンガン音を出して働ける工場外、そして、🐦‍⬛や自然の恵みを大事に生産する農村などなど。

よくテレビドラマなんかであるリゾート開発とか企業誘致、新幹線が走るや走らないとか、大きな住宅地の開発とか…無秩序な開発とかトラブルがおきないように法規制をしましょう的なことと思います。


で、ウチの実家のあたりは、農村の風景、農家の暮らしを守るために、県の特別指定地域に入ったようです。県ごとに、場所ごとに、細かいシバリは違うようですが。
ウチのエリアは、地縁者の住居地域というのになったようです。


では、地縁者の住居地域とは?なんですが、
文字通り、土地に縁のある人が住むという地域のようでして。

見た目はただの小さな田舎集落ですが。
農地を持つのが当たり前のエリアですので、その暮らしを守るために、その土地で農家を続けやすくするためのものなのかなーという感じです。

で、その集落の環境を守るためには、
あらたに家を建てたり、壊したりする場合において、その行為をしても良い人に限りをもうけましょう、ということのようです。
地域、環境に理解のない者には建設も解体もさせない、地縁者ならば無茶な建設、解体をしないだろうということみたいです。

そこで、地縁者というワードがキーになってくるわけですが。
血縁ではないのです。地縁なんですね。
血縁があっても好き勝手はできません。
地縁がないとダメなんです。

地縁の定義としては、
地域によってちょっとニュアンスの違うものざありますが、このエリアでいいますと、

例えば
⚫︎この集落周辺に 10 年以上居住してた人

みたいなことがあります。
だいたいの家族が代々住んできていますから、10年を居住していない人なんかいないのですが…
例えば、私の主人は単独名義で家を建てたり壊したりできません。
私のきょうだいも一部はできません。
父の転勤や介護移住に寄って転居してきて巣立って行った場合、10年未満だったりします。

要は、10年以上住んで、地域の風習しきたり、農地の管理の重要性を理解した者じゃないとダメやで🖐️という枷がある地域となります。

じゃ、所有できないのか?というとそうばかりではなくて…

『線引き』以後、今の家を建てたり建て替えをしたりした時、(建築物の確認申請時)どういう用途で建てたか?というのが🔑鍵になります。このあたりでいいますと、

『農家住宅』…農業をする人のための住宅
『専用住宅』…住むための住宅

などがあるんだそうですが…

『農家住宅』は、そのまま。農業する人しか住めません。。。ということは農地を持ってないと住めません。小さくても何らかの農業をしないといけないわけです。

『専用住宅』はというと、誰でも住めるのです。農地を持たずとも住めます!が、新らたに建て直したいとか、大改修したい場合、建築確認申請というのをしなければならなくなりますが、新参者や移住者ではその資格がありません。10年住まなければ、その行為はできないのです。
(大掛かりでないリフォームはできると思います。)


あー、書いててわかりにくいなぁ…と思います。すいません。
私も理解するのにすごーく時間を要しました。

要するに、
いわゆる分譲住宅地よりも、住み手を地域が選びます。し、住み手も覚悟を持って住まないといけない様々な条件が、県や市にあるわけです。➕集落内のルールしきたりがあるわけです。


で、ウチの家は?というと、父が『線引き』後に『専用住宅』として建てていますので、住むのは誰でも住めます!
これはラッキーです。家の状態としては…自治体の耐震診断を昨年受けておきましたが、クリアしました!これもラッキーっちゃラッキーです。10年住んでなかった子、全く住んでない孫、移住希望の第三者でも住めます。

ただ、築50年弱、田舎のまぁまぁなサイズの二階建て。中廊下の窓が多い間取りで、断熱は一切なし。サッシ類もシングルですから…暗くて寒い…暖房費用が半端ない!
大きな改修を一度してますが、サイズがデカすぎて風呂トイレキッチンがやっとでした。
屋根、壁、軒裏という風雨の当たる部分や床下などは何にもできていません。床下にシロアリ被害もコロナ禍にありました。
畳の表替えとか襖の張り替えなども全くです。リフォームからも20年が越え、設備機器にもガタがきてますし。
母が乗っけた太陽光パネルは壊れても、二階建てのため、足場をかけないと下ろすこともできないという…

買う側の気持ちを考えたら、伝えといてあげたいことはいっぱいあって。
これを抱えて新たな暮らしを10年やってくれる人がお金を払って買ってくれるのか?
というとですね、まぁ、難しそうなんですね。


現に、集落内で、売りに出ていた物件がありましたが、結局希望価格で売れずに不動産情報に載せるのをやめたようで、そのまま今もひっそり集落にあります。


物件によっては、リフォームで担保がついていて、ローンが残っている場合もあります。
新たな購入者が現れても、担保を外してあげなければならず、先にローン残高を精算するとなると、売却益が出るのか?いや持ちだしか?ということもありうるわけです。



どんな売買になろうと、相続になろうと、後々契約がひっくり返らないようにするには、誠意あるインフォームドコンセントが大事ということです。


知らないで相続するとします。
毎年固定資産税の徴収がきます。
ゴミを捨てたいと思えば、町会費の支払いと同時に集落の役や清掃活動の参加が義務付けられたり…それを拒否すれば、ゴミが捨てれない…

それが、売れるまで続きます。


不動産…
所持するって、すごいことなんだー!
と、私レベルの人間は思いました。

だれでも簡単に売却できて、価値ある不動産が世間にどれだけあるのかわかりませんが…

その土地土地で、自分にとって利益性があるかどうかを見極める必要があるなーと思いましたね。



きょうだいAには、
結果だけ
「ま…今のままだと売れないかなぁ。」と伝えました。

「あ。そ。だから、こんなとこに建てるのは反対したんだ。相続放棄するから、あとはよろしく。」

「。。。」

でも、住むにはいいとこやで…
と言う思いもありましたが、暮らした経験が僅かなきょうだいAには言ってもわからないと思いやめました。


そう。
不動産というのは、お金に変わらない思いもあります。が、かんたんに割ることができないわけで、割るとなると見合ってるかは別にして固定資産税評価額とか路線価で判断されたりします。

『所有したい』という権利には、固定資産税や集落との関わりという責任が伴います。

売ったり買ったりもそう。
譲渡もそう。
権利には、責任が伴います。


田舎暮らしが、イメージ通りではなかったという方多いかもですが、やっぱり、「郷に入っては郷に従え」といいます。従ってるうちに腑に落ちるルールもあるのです。


また、一つ大人になれた気がします。


⚠️あと、無知な不動産屋さんがいて、大体の説明だけで売買仲介する方とかあるそうです。

いざ、家を建てようとすると建たないとか…
ローンをメインバンクで組もうとしたら、エリア的に降りなかったり…(地縁者の住宅地域はダメな場合があるそう)

自分たちが将来を共にする資産について、他力ばかりでなく自分の足や耳で稼ぐのは大事かなぁと思いました。


追記)
この経験から、私はまた新たな調査に入ることにしました!


つづく

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