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「腹圧」という身体機能から東洋医学を複合的に考える



こんにちは、hanaこと玻名城です。

今回は「腹圧」という身体機能から東洋医学を様々な視点で考えていけたらと思います。




1.腹圧を振り返る

改めてになりますが、腹圧は「腹腔内圧」のことを指します。


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腹腔は主に

・上を「横隔膜」
・下を「骨盤底筋群」
・前面を「腹横筋」「内腹斜筋」
・後面を「腰椎」

で構成されています。


腹腔を構成する筋の機能は

・筋の緊張を維持することで腹部内臓に圧を加える(腹圧負荷)
・脊椎の安定化と脊椎の負担軽減
・体幹および骨盤の運動
・呼吸運動の補助

と各々の筋の動きに加え、協調的な機能として上記があります。


グレイ解剖学 原著第3版


また、腹圧負荷は

・直腸から便を排出する(排便)
・膀胱から尿を放出する(排尿)
・胃の内容物を空にする(嘔吐)
・子宮から胎児を押し出す(分娩)

という役割を持ち、適切な筋の緊張維持が身体に重要な意味を持ちます。



2.腹圧(筋)と東洋医学

今回は「腹圧」という身体機能から東洋医学を様々な視点で考えるので、腹圧に関わる「筋」や「腰椎」のように単語的なものから考えを進めていきたいと思います。


■ 横隔膜(肝) ■
横隔膜の機能低下は「呼吸」に影響します。例えば、横隔膜の可動域低下は「呼吸数増加」につながる可能性があります。


横隔膜の機能低下は、胸式呼吸でも腹式呼吸でも”深い”呼吸ができなくなりますから、酸素を取り込む等の呼吸が果たす役割を”数”を稼ぐこと(呼吸数の増加)で補います。


呼吸数の増加「交感神経優位」の状態になりますから、

・怒りっぽい
・気が短い
・イライラ

等の状態をつくる可能性があります。東洋医学の「肝」に関わる状態です。


また、横隔膜の状態を

・固い(過度な筋緊張)
・プニプニしている(機能低下による筋緊張の無い状態)

と下部肋骨付近の触診の結果「胸脇苦満」と表現することも「肝」とのつながりがあります。


■ 骨盤底筋群(腎) ■
下記の記事でも触れてますが、骨盤底筋群は東洋医学でいう「腎」の封蔵に関わります。

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