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大人になってからはじめた趣味、キックボクシング。

大人になってから「部活がしたい」と思ったことはないだろうか。私はある。

部活一色の学生時代

私にとって、中学~高校の思い出は部活一色といっても良い。アーチェリー部に所属し、ほとんど毎日(平日はもちろん、土日は一日)練習漬けの日々だった。

部活は、学校とは違う私のもう一つの居場所だった。クラスで嫌な事があっても、部活に行けば仲間がいる。勉強ができなくても、部活でいい成績を収めれば体制は保たれる。そんな感じ。

勉強と部活の両立というと大変なイメージだけど、人間関係や自己肯定感のバランスを取るのに、2つの拠点があるのは寧ろ良いことだった。でも、そんな生活は卒業とともに自然な成り行きで終わってしまった。

社会人、趣味を失う

社会人になった私は、自宅アパートと職場の往復を繰り返すだけになった。頻繁に連絡を取る友だちは同期だけ。人間関係も1箇所に集約されてしまったのだ。

友だちに不満はなかったけど「このまま一生友だちが増えないのかな」「同じコミュニケーションを繰り返して、人としての面白みに欠けてしまわないかな」という不安が出てきた。たぶん、心が新しい刺激を求めていたんだと思う。

私は夢中になれる事を探した。
仕事はもちろん頑張るけど、それは義務として頑張るものであって、頑張らなきゃいけないものだった。自分の意志で決めて頑張るのとはわけが違う。

職場以外の場所で「もっとがんばりたい」「成長したい」みたいな欲求があって、私は迷走した。

ブログやYouTube動画を投稿したり、英語や資格の勉強を始めたり、本や映画を見たり、筋トレしたり……王道は大抵試してみた。

でもやっぱり一人ではモチベーションが保てず
どれもすぐに辞めてしまった。

キックボクシングという選択肢

そんな私がたどり着いたのが
「キックボクシング」だ。

去年の夏の始めに1人で見学会に申し込み「カラダを動かすの楽しい!」となって即日入会した。

キックボクシングと聞くと、男がやるもの/危険な格闘技のイメージがあるかもしれないけれど、最近は女優さんがスタイル維持のために導入していて、美容やエクササイズ目的ではじめる女性も多い。というか、私の印象だと会員さんの約7割は女性だ。

ジムでは小学生から中高年まで幅広い年齢層の人がそれぞれのレベルに合わせて練習している。ボリュームゾーンは40代の主婦。キャッキャしすぎない雰囲気が、私には心地良かった。

支払いは月謝制になっていて、何回レッスンを受けても料金は変わらない。24時間空いていて、会員同士でレッスン時間以外に練習したり、個人でサンドバック相手に自主練したりする事もできる。

私は土日の半分をキックボクシングに捧げ
徐々にのめり込んでいった。

アマチュア大会への出場

半年が経過し、私はアマチュア大会への参加を決意した。ジムでよく話をする2歳年上の女性を誘って、一緒に申込んだ。トレーナーはちょっとビックリしたようだった。

その日からキックボクシングが「部活」になった。

私たち2人は真面目にレッスンに参加し、自主練もした。仕事が終わると夕食をかき込んでジムへ直行。
毎日2時間程練習する日が3ヶ月ほど続いた。家に帰ってからも、撮影してもらった動画でフォームを確認した。また、体力作りのために「縄跳びを3分間跳び続ける」を3セットしていた。(だいぶ前跳びが上手くなった。)

毎日の練習は割と過酷で、筋肉痛は当たり前。あざだらけ、浮腫だらけ、湿布まみれになった。帰る時には、足をひかないといけなかったり、手が震えたりすることもあって、満身創痍だった。もちろん辛いのだけど「部活だなぁ」という感慨があって、私たちはどこかそれを楽しんでいたと思う。試合が近づくと「これだけ練習したんだから絶対勝てるよ!」「練習量では負けてないはず!」と互いを勇気づけた。

結果をいうと、大会では2人とも負けてしまった。
悔しさを中心に、いろんな感情が込み上げてきて、ボロボロに泣いたのが懐かしい。

いま振り返ると「そこも含めて部活じゃん」「第二の青春しちゃったなぁ」という気持ちである。

私にとってキックボクシングは大事な趣味であり、部活であり、大切な居場所だ。こういう場所をおばさんになっても、おばあちゃんになっても、ずっと持ち続けられたらと思う。

私は会社から収入を得て、生きている。でもそれだけでは不十分で、キックボクシングが友だちや、生きがいや、人生の張り合いを提供してくれている。

「やらなければいけない事(義務)」のほかに
「やりたい事(意志)」があり、それを楽しめる環境にいるのはとても幸せな事だ。

2024/04/19_11

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