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街へ自転車で

ここのとこ、なんとはなしに元気なかったんだとおもう。家にばかりいた。久しぶりに自転車乗って少し遠出しようという気になった。


お昼食べてから、すぐに支度して家を出た。いつもどおりのリュックにマグとハンカチをサイドポケットに入れて。いつもの道路を走り、途中から川沿いの道へ入った。橋を渡る。



結局、最初の行き先は隣の街の図書館。やけにマスクが苦しくて落ち着かなくなってしまって、あまりじっくりえらべなくて、一冊だけ借りて出る。そのまま、本屋行こうとおもい、向かったら、なんと閉店していた。ショックだった。地元の老舗の一番の大型店。あと郊外の二店舗はそのままらしい。母からちらっと聞いていたけど、確かめに行ってみたのだった。もう中学生からお世話になってる本屋。商店街の中で場所が移動したり、高校生のとき、あんな本立ち読み、こんな本買ったなあと、店内で見てる記憶が浮かんでくる。あっけない。もう、街では本屋は一店舗だけ。街がどんどん変わっていく。だんだん、街へ行く理由がなくなってきた。コーヒー買うから行くけど、なんだか寂しい。


休憩にカフェラテ。図書館で借りた、
石田千
『からだとはなす、ことばとおどる』
を、読む。


後ろで、おばあさん三人が大きな声で話していて、あまり集中できなかった。町の図書館でも、石田千を借りていて、他のを読みたくなった。なにかと気にかかる存在。随筆家、小説家。記憶力のよさにいつも驚く。わたしが全然覚えてないような子供の頃のことをたくさん書いてある。きっと憶えるところが違うのだろう。


母におみやげ、ミニクロワッサンを六個買う。


また、本屋の前を通り、流れてゆく。



明るいくもりくらいになると思ってたら、とんでもない強い日差しで、久しぶりに家を出たようでバテてしまった。川沿いをゆっくり走る。



だんだん、ふるさとがふるさとではなくなっていくようで、引っ越して五年の隔たりはあるようにおもう。すっかり隣の町の住人になったようだ。正直言って、ふるさとよりも、いまの町の方が好きで居心地よくて、ご縁を感じる。まるでここが生まれた町のよう。そこまでおもう。そうだ、産まれた病院はたしかにいまの町。



それでは、またお会いできますように。
ありがとうございました。

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