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「話ができる中国人」の貴重さ

これ。

中国に住む日本人ならどこかで行き当たる、中国人の国における感覚について。こちらの日本人の方は中国語も堪能なようで、より深いところで中国人とこのような会話ができるようです。羨ましい。

私の「人の線引き」


まず人によって色々と前提は違うけど、私の場合中国語が赤ちゃんなので、主に話ができる相手は日本語ができる中国人になります。語弊を恐れず言うならば、『私と出逢える人はレベルが高い人』。私が偉いってことじゃないよ。
中国語ができない日本人である私に出逢えるのは、

①日本語ができるレベルの中国人 
②私の生活圏内で同じく生活している人=貧民エリアではないところに住んでいるレベルの人 
③同じ会社の人=海外とのやり取りがある会社に勤められるレベルの人

と、一定のラインを超えたレベルのとこにいる人。私が中国語話せればこっちからローカルに潜っていけるんだけど、それができないので能力の高い人が向こうから来るような感覚。人と人は、どっかで釣り合いが取れていないと出逢わない。

で話を戻すと、私にとって上記ツイートのような会話ができる人ってすごく貴重で。中国に来てわかったのは、『日本語ができる=話が通じる』ではないこと。言語はできるのに会話はできないことが結構ある。
日本の感覚をこちらがゴリ押ししているわけではなくて、相手が中国的思想に凝り固まっていたりする。中国の政治は正しいものであり、そこを否定されるとその耐性が無くてわめく。まず、否定的内容を受け入れられない。言われたことに対して反論はあって全然いいと思うんだけど、何故それが違うのか、どこがどう違うのかを自分の頭で考えて論じる、というのができない人が多い印象。
幼い頃からの思想教育ってすごい強いんだなと感心することも多々ある。日本も言ってしまえば、「ありがとうを言いましょう」とか、「ゴミをちゃんと捨てましょう」とかが効いているから、大人になってもそれがあるわけで。何を小さい頃に教えるかの違いなだけな単純なことなんだろうけど、その後の枝の分かれ具合はだいぶ違う気がする。

私のまわりの場合

30代後半のうちの社長や上司は、日本語はできるけど政治の話になるとド中国人。日本語ができるのに、せめて日本語の世界ニュースだけでもなんで観ないのか不思議だったけど、彼らを見ているとそもそも自分の金儲け以外の情勢に興味が無い。そして、それが恥ずかしいことだという意識が無い。なんなら2020年1月上旬、「武漢で正体不明の病気が流行っているらしいですね」と私が言ったら、そのニュースのことを知らなかった。自国のニュースを外人から教えられるって、私だったら結構恥ずかしいけど。

私は中国語よりはまだ英語の方がマシで、英語でコミュニケーションを取れる中国人に会うと更にレベルが違うというのも経験して理解した。
少ない資料で法則性を見出したりしてしまうのだけど、『言語よりも海外経験の有無』ってのは一つのキーになっている。

①言語(日本語)
②英語
③海外に住んだことがある

②と③があると、国際感覚が備わっているので結構話せる。この①→②→③の順番で視野が広まっていく。

海外留学経験者、華僑の場合

②や③を持つグループの集まりに参加したことがあって、そこでは30代前半が多かったけど、政治的、歴史的な話も出て。人名を忘れてしまったけど、文革の時の人物の話や、アメリカで昔起こった人種差別事件の話などをしていた。見せてくれたサイトは英語。
その場に、外国語も海外経験も無い汕頭人もいたんだけど、そういう話になった時に海外組は落ち着いて真摯に話すのに、その人は声を大きくして感情的に反論しているのは、中国語がほとんどわからない私でもわかった。同じ土地の出身でも、枝はこう分かれていくのかと。そもそも海外組は海外行ったからそうなのではなく、そういう人だから海外行けたのかもしれないけど…。

日本語できるけどずっと中国在住の上司の場合

もう今は私が会話を諦めてしまってて政治的な話はまず訊かないけど、以前、上司は「今の中国政府は貧しい農村に家を建てて与えてくれた」ということをまず言っていた。あと、「汚職を改善させた」と。基本感謝してて、そして「政治は自分達と関係無いこと」という認識だった。選挙が無いとこうなるのか。
VPN入れたげたので他国での中国の報道のされ方見れるのに、一切興味無い。先の、「自分で考える」ができない。
あと、中国政府を否定されると「余計なお世話です」と、拒絶するようなことを言う。普段自分は人のプライベートにどんだけ干渉してんだよと思う。ちなみに、褒められることになるとガバくて精査なしに全部受け入れる。これは本当に中国人にありがちな悪いところだと思う。

反中の汕頭人の場合

彫り師をやっている20代後半の人に会ったことがある。身体中カラフルなタトゥーだらけ。イラストレーターの友達数人の集まりに混ぜてもらって、そのうちの一人の家の屋上で烧烤をした。英語はあまりできず基本翻訳ソフトで会話してたけど、彼とこの友人らは高校からの友達でみんな今の政府に反対。中国人としては珍しいのでは、なんでそうなの?と訊くと、彼らの高校の時の女性教師が政府嫌いで、そういう話をよくしていた影響が強いらしい。ただ、年々規制が厳しくなり、そういう話を授業でできなくなってしまったと。中国はガチガチの教育だと思ってたので、そういう先生が存在するというのも意外だった。
彼はその後、朋友圈で白紙運動も参加していた。「俺は汕頭が嫌いだよ、この街の奴らは努力をしない、早く俺は街を出ていきたい」ということを言っていた。チベットや内モンゴルなど、色んなところにドローンを持って旅行して、自分と風景を映した動画をアップしていて、旅しながらその旅費は現地でタトゥー仕事をして稼いでいたと。カッコ良すぎる。
この彼は、今は東京に語学留学しているみたい。今度日本で、その時よりも少しできるようになった私の中国語と、彼の学んだ日本語で話してみたい。

んで、

とりとめも無い文章だし、私も考えに偏りはあるし情報収集も不十分ではあるけど、私が会った人たちのお話でした。中国語できる人は更にこういう話を色んな人から聞けているんだと思う。中国にいる時間が増えることで、更にいろんな角度から考えをみっけることができるのかもしれないな、と。

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