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285.こんないじめをしなければ、優越感や満足感を得られないのでしょうか。

1.海外での二人の女性の悲惨な物語


 
ここで、二人の女性被害者のお話を紹介します。
カナダ人の女子高生ラティア・パーソンズさんは、2013年4月に17歳で自ら命を絶ちました。
彼女は、2011年に友人たちと参加したパーティーで酔い、同じ場に居合わせた少年4人にレイプされ、その時にみだらな写真を撮られ、画像をメールである人に送られてしまいました。

受け取った人がネットに投稿すると、たちまち拡散し、それを見た人たちが、わずか一週間たらずでラティアさんに屈辱的なメッセージを送りつけてきました。さらにそれが脅迫となり、やがて3000通以上のいじめメールとなり、あまりの酷さに母親が驚いて警察に相談しました。

しかし、相談をした警察からは、ネット上に拡散した画像を取り締まる方法がないと言われ、相手にしてもらえませんでした。
その後、学校に相談を持ちかけても、学校外だからという理由で取り合ってもらえませんでした。

彼女はそれでも勇気を振り絞り、たった一人で立ち向かう決心をして、
「やめてほしい、愚かな行為だ!」とSNS上で反論し始めました。

しかし中傷攻撃は収まらず、止むを得ず住まいを移転し転校しますが、さらに追い打ちをかけられてしまいます。
携帯番号とアドレスを変えても、中傷と脅迫メールという執拗ないじめが続きました。
この惨劇は一年半以上も続き、17歳のラティアさんは、自宅の浴槽で自ら命を絶ちました。

 
その後、ionechat.comという出会い系サイトが、ラティアさんの写真を用いた広告をFacebookに掲載していたことが判明しました。
彼女がこの世を去っても屈辱は続いたのです。
いじめの原因となった写真とは異なるようですが、彼女の写真を使用したことが問題となっていたのです。

ラティアさんの父親は、Facebookに掲載された広告について、「娘はネット上で執拗な嫌がらせをうけ自殺に追い込まれた。娘の写真が出会い系サイトの広告に使用され、Facebookに掲載されることに嫌悪感を抱く」(Ouest Franceより)と述べ、怒りをあらわにしました。
ionechat.comの広告問題をうけ、Facebookは直ちに広告を削除すると同時に、遺族に謝罪したのです。
 
これがきっかけとなり、カナダ政府では、「ネットいじめは犯罪である」と明記し、専門の撲滅チームを結成し、国を挙げてこの問題に立ち向かい、対策に力をいれるようになりました。
カナダのハーパー首相は、
「ラテイアさんの受けた被害は〈いじめ〉という言葉では済まされない」とコメント。
また、ネットいじめ調査班が設置され、
ロジャー・メリック班長は
「権限を持った調査班ができたことによって、たくさんの通報が寄せられるようになった」と述べました。
 
残念なことに、ラテイアさんが苦しみ続けた一年半、誰ひとりネット上で彼女を庇い、弁護した人はいませんでした。彼女は深く傷つき、ひとり希望を失いながら死を選んでしまったのです。
もし、拡散された情報に対して、ネット上で誰かが応援し、支えてあげることができたなら、彼女の運命は変わっていたかもしれません。


 
次の女の子は15歳です。
カナダのバンクーバーに住んでいた15歳の少女アマンダ・トッドさんは、学校とFacebookの両方からいじめを受けていた内容を知らせるために、YouTubeに画像を投稿しました。その1か月後、16才の誕生日を前にした彼女は、自宅で自殺してしまったのです。

アマンダさんは何年も続いたいじめの経過を、白黒のマーカーで手描きしたメッセージカードで淡々と語り続けました。アマンダさんがビデオにつづったメッセージは、彼女が まだ中学1年生の時に起こった1つの出来事でした。
友だちとウェブカメラを使ってチャットするのが楽しみだったアマンダさんは、ネットで知り合った人たちに「きれいだね」「素敵だね」と褒められます。
女の子ですから当然嬉しくなりました。ある時、その中の1人から、「トップレスの姿が見たい」と言われ、単純に受け入れてしまいました。
そして一年後、ある知らない男性がFacebookを通じて、突然、アマンダさんに脅迫メールを送りつけてきました。

その内容は、「もしショーをして見せてくれなかったら、アマンダのトップレス写真をそこら中にばらまくぞ!」というものでした。さらに恐ろしいことに、彼はアマンダさんの住所や学校、友人関係、親戚や家族の名前まで調べていたのです。

アマンダさんは怖くなり、無視し続けていましたが、しばらく経ったクリスマスの日、真夜中にもかかわらず、彼女の家に警察官がやって来ました。
その理由は、彼女のトップレス写真が"everyone"(訳注:みんな/あらゆる人という意味ですが、コミュニティーの知人関係と思われます)に送り付けられたという知らせだったのです。

その後、アマンダさんは不安神経症、うつ病、パニック障害を発症し、アルコールや薬物にも手を出すようになってしまいました。極度の不安で、外出もできない有様でした。

そして、ラテイアさんと同じように、写真流出から逃れるように、彼女は違う町に引っ越しをしました。それでも追い打ちをかけるように、同じ男性はFacebookでアマンダさんのトップレス写真を自分のプロフィールとして使用してしまいます。

それから再び中傷といじめが始まり、アマンダさんは毎晩泣き続け、自傷行為に走ってしまいました。

そして、何の手立てのないまま、悲しみに暮れる生活を送り続けていたアマンダに声をかける男性が現れるのです。
転校したばかりのアマンダさんにやさしく声をかけてくれた唯一の男性でした。
その男性は、彼女がほのかに信頼を寄せていた人でした。しかし、アマンダさんに「好きだ」と言ってきたその男性には恋人がいたのです。
わずか一か月後に男性は豹変してしまいます。
 
ある日、男性はアマンダさんが以前通っていた学校の生徒15人を連れて、彼女の家に乗り込んで来たのです。そして、「誰もあんたなんか好きじゃないんだから」と罵り、アマンダさんを繰り返し殴り地面に叩き付けました。男性が連れてきた生徒は皆、アマンダさんのかつての友人たちでしたが、彼らは面白がってその状況をカメラで撮影し続け、誰も傷ついたアマンダさんを助けようとはしませんでした。アマンダさんは父親が見つけるまで溝の中に横たわっていました。

なんという悲惨で酷い仕打ち(いじめ)なのでしょうか?
 
父親は、傷ついて横たわる娘を抱きかかえ自宅に運びました。
その後、彼女は漂白剤を飲んで自殺を図りました。
幸いにも発見が早かったため、アマンダさんは運ばれた病院で胃洗浄され、一命をとりとめます。
 
その後、また新しい町に引っ越しましたが、執拗ないじめはくり返され、暴行事件から6か月たった後もFacebookには彼女の名前のタグ付き(※)で漂白剤や溝の写真が投稿され続けます。
投稿欄には、「これ見て自殺するといいね」といった言葉が掲載されていました。
精神状態が不安定となったアマンダさんはカウンセリングを受け、抗うつ剤で治療を続けましたが、逆に悪化し、薬の過剰摂取でまた病院に運ばれます。
 
どん底にいた彼女がYouTubeに画像メッセージを送ったのがこの時でした。
『私のストーリー・・・もがき、いじめ、自殺、自傷』というタイトルで、画像の見出しには次のように書かれています。

「私はもがきながら、この世界にとどまろうとしています。・・・強くなれる、というインスピレーションを得るために、これを作りました。痛みから逃れるために自分を傷つけたのは、人を傷つけるよりは自分を傷つける方を選んだから。人を憎む人はどこにもいますが、どうか憎まないで下さい。でも私の所には集まるんでしょうけど。誰(の人生)にもストーリーがあるのだと、あなたたちに見せられたらいいと思います。そして、頑張って乗り越えれば、みんなの未来がいつか明るくなることも。(その証拠に)私はまだここにいるでしょう?」

彼女は、自分に起こったことを多くの人に告白して、私も強くなるから一緒に頑張ろう、という思いでこの画像をアップしました。しかし、疲れ切った、苦しそうなアマンダの姿を感じます。絶望の中で助けを求めているようにも感じます。
 
それでも執拗ないじめは続きました。
回復した彼女に待っていたのは、、Facebookに投稿された「いい気味」「別の漂白剤飲んで死ねばいいのに」というような心ない言葉の数々でした。
 
なんて酷いのでしょうか・・。
アマンダさんは誰も傷つけてはいません。
誰をも中傷していません。
こんないじめをしなければ、優越感や満足感を得られないのでしょうか。
ラテイアさんと同じく、誰一人助ける人がいません・・。
こうして彼女は、自らこの世を去っていきました。
 
アマンダさんの画像は今でもyou tubeに残り、悲しみ傷ついた彼女からのメッセージが届けられているのです。
 
それがFacebookなどのSNSを通じて世界中の人に広まり、二〇〇万回以上視聴され、追悼のメッセージが続々と寄せられています。Twitter上でも、#RIPAmanda(アマンダ、安らかに眠って)というハッシュタグがトレンドになっています。


もともと、チアリーダーだった彼女を教えたコーチは、ニュースインタビューで「すごく強い子だったから、何でも跳ね返せると思っていた」と発言していました。
確かに強い子だったのかもしれませんね。
しかし、どんな強い子でも希望や支えがなければ生きることができません。
強い子でも、これだけのいじめを受ければ誰でも心が折れてしまいます。
画像は、アマンダさんが死を覚悟して、自分と同じように苦しむ人たちへ投げかけたメッセージではなかったのかと、私は感じています。
人は誰かを必要とし、また誰かから必要とされているものですね。
 
その後、この映像を見た四万人以上の人が集まり、Rest In paradise Amanda Michelle Todd(アマンダさんが天国で安らかに眠れますように)と、多くの人たちが涙を流して冥福を祈りました。
 
アマンダさんの母親は、「このビデオは、いじめ防止のための学習ツールとして、多くの人に見られるべきです。それが、娘の望みだったと思います。」とツィートしています。

 記事元:HuffPost CrimeHuffPost B.C.YouTube(1)YouTube(2)
 



※本内容は、悪口、いじめ、誹謗・中傷を中心とした内容ですが、「著作権侵害」「著作者人格権侵害」「肖像権侵害」「プライバシー権」「パブリシティ権」「個人情報保護法」、その他「人格権」「人権」等に最終的にはつながるものばかりです。
特に、ツィッター、フェイスブック等のSNS全般、このnoteなども含まれるものです。断じて、許すことのできない犯罪です。
言葉によるいじめ、暴力など他人を著しく傷つける行為がウイルスのように広がっていく時代になりました。
同時に「なりすまし」「偽物」「フェイク」などの画像やメールなどが出回りまるでカオスの様相を帯びているネット社会。
また、皆様もご存知の通り「偽物メール」なども大量、いや無限に近く飛び回っています。
今や、銀行や郵便局の偽メール、アマゾンやメルカリ、国税庁の偽物請求メール、裁判所からの金品請求の偽メールが出回り、市や都からの偽物メールなど多くの人たちが、混乱しています。
さらに、「本物ぽい偽物」などは何とか見分けがつきますが、「偽物ぽい本物」などはまるで見分けられないという問題が生じています。

一番の被害者は、子どもたちです。それを確認できないお父さんやお母さんたちにも問題があり、子どもたちは何も知らないまま犯罪に手を染めてしまったり、人を傷つけてしまいます。ぜひ、お読みください。

本内容は、全国の都道府県、市町村、学校、NPО団体、中小企業、noteの皆様、クリエイター、個人の方々を対象としているものです。また、全国の職員研修での講演先のみなさまにもおすすめしています。
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