ジョブネーム

大変余計なお世話かもしれないのだが、昨今の様々な事件を見ていると不特定多数の人たちとの交流がベースとなっている接客業界でも本名ではなく仕事用のジョブネームを名乗ることが可能な制度、もしくは風潮になればいいのにと思ってしまう。

というのも、私たちクリエイターは本名を名乗るもペンネーム(偽名)を使うも全てが本人の胸先三寸。各自の裁量である程度の個人情報を封じることだって出来る。顔出し一つとってみても、有名どころは別として、無名ならば意図も容易く隠せるものだ。

しかし、そんな私たちクリエイターとは違い、接客業界の方たちが顔出しを避けて活動することなど不可能に等しいはずだ。更には本人が常日頃活動している拠点である事実を鑑みれば、仕事場から一定の距離圏内に住んでいることまでバレるリスクを必然的に背負っている。だからこそ、余計むやみやたらに個人情報を……本名を名札でおおっぴらに掲げず済む方法があればいいのに……と、余計なお世話とは思いつつ考えてしまう。


実際、担当してくださった店員と後日も含めた円滑な会話のためにも、万が一クレームを入れる事態に発展した時のためにも、個々の店員が識別することが出来る環境整備は大切な要素とは思っている。しかし、それならば尚のこと店員個人の本名まで闇雲に開示する必要性は果たして本当にあるのだろうか。店員個人の識別が出来れば事足りるのではないだろうか。

そう考えると、私たちクリエイターのように責任を担うべき個人が特定することが出来る仕事用のジョブネーム(偽名)の使用でも十分ではないかと感じてしまうというわけだ。


ペンネームという名称を念頭に置くと、プライバシー保護はもとより著者イメージによる先入観を防ぐ等、様々な思惑が絡み合う複雑な問題に発展するが、偽名という事実を念頭に置けば、クリエイターのみならず接客業界にも広がっていいのではないだろうか。プライバシー保護の一環として、そして多様化するリスクを少しでも減らすために、令和の時代に突入した今こそ仕事用のジョブネームの是非を考える機会が開けたら素敵だなと切に願う今日この頃である。

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