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第十二話  仲直りのアップルパイ

「ふう、楽しかった!!」

ある夏の日のこと。パフェとスピカは、一緒にアップルパイを作っていました。

「スピカ、結構すごいじゃない!アップルパイ、上手にできたね~!」

「あっ、そろそろ帰んないとまずいかも・・・今日はありがとう!じゃあ、また明日ね!」

「待って、途中まで送ってくよ。」

「あ、ありがとう!じゃあ行こう!」

その五分後、ツリーハウスにいちごがやって来ました。

「パフェ―!・・・あれ、パフェ?どこにいるのー!!」

返事はありません。

「パフェー、パフェーっ!!」

その後も、部屋の中、トイレの中、クローゼット、キッチン・・・あちこち探し回りましたが、パフェは見つかりませんでした。

「パフェったら・・・いったいどこに行っちゃったの・・・!?」

**********

と、その時。ガチャッ、と音が鳴り、ドアが開きました。

「あっ、い、いち・・・」

「ちょっと、どこ行ってたの!!」

いちごはパフェの言葉をさえぎって言いました。

「す、スピカを送ってたの・・・」

「えぇっ!?スピカ!?何で・・・今日は私とだけ遊ぶって言ってたでしょ!?」

「ご、ごめん・・・」

「しかも・・・約束の時間は2時半でしょ、今は36分じゃない!!私、6分も待ってたのよ!?」

いちごは大きな声で言いました。

「別に・・・そのくらい、いいじゃない。」

「はあっ!?『そのくらい』って何!?約束の時間に遅れるなんて、信じられない!!今日は私だけって言ってたのに・・・嘘ついた!最っ低!!
ひどい! もう友達じゃないからっ!」

バタンっ、と、とても大きな音を立てて、ドアが閉まりました。

「・・・なんでそれだけでそんなこと言うのよ・・・」

**********

ガチャ、

「ただいま」

「お帰り、いちご、もう帰って来たの?」

いちごの母は言いました。

「・・・・・・」

「あれ?お姉ちゃん、パフェちゃんと遊んでたんじゃないの?」

「・・・・あいつとはもう友達じゃないから・・・」

いちごはそう言って、階段を駆け上がりました。

ふと、自分の部屋の机を見ると、そこには金色に輝く、一つの星がありました。

「こんなもの・・・もういらない・・・!」

『がさっ』

ゴミ箱に投げ捨てられたバッチの星は、困っているような、弱い光を出していました。

**********

そのころ、スイートツリーハウスでは・・・

「もう・・・いちごなんか、大っ嫌い・・・!!」

パフェは一人でつぶやいていました。そして、甘い香りがしたかと思うと、あの時の、クッキー人形の「クッキー」が現れました。

「パフェ様!大変なお知らせがございますっっ!!」

「・・・何?」

「いちご様が、スター・パティシエールのバッチを捨てられました!!」

「・・・どうしてそれが大変なの?」

「し、知らないのですか!?スター・パティシエールのバッチは、『スター・パティシエールの心』です。それを捨てたということは、『スター・パティシエールを辞める』ということでございます!!」

「ふうーん・・・」

「いちご様・・・最初は、全然お菓子は作れなかったのに、今は、たくさんのお菓子を一人で作れるようになったじゃないですか!!なのに、どうしちゃったのでしょうか・・・」

「・・・・・・」

「パフェ様も、もうすぐ・・・・だというのに・・・・あと24間以内に付けなおさないと、契約が解除されるどころか、パフェ様といちご様は、もう二度と会えなくなってしまうかも・・・」

「えっ!?そ、そんなの嫌・・・っ!!」

パフェは気が付いたのです。この程度のケンカで、友情を壊してはいけないと、友達をやめてはいけないと・・・!!

「いちご様の親友であるパフェ様。いちご様を、説得してください・・・」

どうか......

「・・・うんっ!!」


そう言うと、甘い香りが消え、クッキーの姿もありませんでした――



続く!!!


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