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【雑記】2021年ベスト映画etc

はじめに(ビンジしたシリーズなどから)


映画、今年はきっちり20本くらいかもです(2021年放映のものに限った数)。
あんまり見てませんね。
だからベストは結構上からって感じで楽につけれたんですが(これはたぶん今年のベストアルバムもそうだろうな)、
うーんこのベスト10作がすべて名作かといわれるとよくわかりません(笑)。そんな年でした。
でも、ビンジしたドラマとかアニメとかは多かった…かな?
今年ハマりまくった「ウマ娘」のアニメ一期と二期、
見事なエンタメ「odd taxi」、
デスゲームドラマの国際的メガヒットとなった「イカゲーム」、
それと比較しようとしてみた「今際の国のアリス」、
さらに「大豆田とわ子と三人の元夫」と…そんくらいかな。まだ途中だけど「ムショぼけ」とかも。
その中でもイチ押しは「心霊マスターテープ」ですね。シーズン2?の「心霊マスターテープ2 ~念写~」も好きでした。


これはホラーの「怖さ」、というわけではなく(まあ怖いところもあります)、ホラー映画、ホラーというコンテンツを作る、
作り手側の気持ちが投影されているなと、ラストらへんでいつも思うからです。シーズン1はある重要人物がカメラを抱えながら言うセリフに、シーズン2はモノを作る人間の「覚悟」をある人物を通して言ってる気がします。
今年下半期は「ゾゾゾ」を滅茶苦茶みたからかもしれないですね
僕、「ゾゾゾ」は心霊番組だとくくりたいのですが、巷は心霊系youtuberとみなすらしいですね。
でもここまでのクオリティで作られてもyoutuberなら、ちょっと…もう玉石混合としても甚だしいような…まあくだらない懸念なのですが。
あ、話は変わりますが「フェイクドキュメンタリーQ」も大好きですね。
記事の最後に「ゾゾゾ」「家賃の安い部屋」「ドキュメンタリーQ」のベスト10も雑に入れましたんでよろしかったらみてください。
「心霊マスターテープ」のシーズン3も楽しみにしてます。
シーズン3はちょっとよりストーリーっぽくなるんですかね。

【本編】2021年ベスト映画10


10位 劇場版 少女☆歌劇 レヴュースタァライト

<Introduction>
「スタァライト」――それは美しき別れの悲劇。
この戯曲のキラめきを浴びた二人の少女は運命を交換。
やがて「運命の舞台」に立ち、
悲劇の先に再び出会う「新章」を再生産した。
塔の頂で星を掴んだ少女たち。
では、その新章の結末は?
「私たちはもう、舞台の上」
愛城華恋。聖翔音楽学園三年生。
最後の星祭りが幕を上げる。

開始直後、スクリーンに広がるのは、砂漠の中の東京タワー。
萌えアニメ?にあるまじき、いきなりのディストピア風景。
それが一番、今の空気だなあ、と思ったんです。この東京の。
自分はこのアニメを全然見ていなかったのですが、
「要は卒業間近の舞台好き女子の最後の会話っていう体の劇なんだよね?」
ということですぐスッと飲み込みました。
しかし、会話の横でとにかく風景が謎に大袈裟にチェンジするという大判振る舞いが永遠に続く、ゴージャスなミュージカル映画。
やたら大仰なスライド文章だったりも、ただただ笑うのみ。
その豪快さで押し切ってくれて、すごく楽しめました。
個人的にはお笑いエンタメだと思います。だけど、ちょっとその大袈裟な風景の中で「私たちはもう舞台の上」を聞くと、妙な気分を抱く。
そんな映画でした。


9位 プラットフォーム(Netflixにて観賞) 

スペインの監督、ガルデル・ガステル=ウルティアの長編初作品となるSF。中央に穴が空いた不気味な部屋で目覚めた男が、そこからの脱出に挑む。『ミリオネア・ドッグ』やドラマ「わが家へようこそ」などのイバン・マサゲ、『オール・アバウト・マイ・マザー』『靴に恋して』などのアントニア・サン・フアンらが出演する。シッチェス・ カタロニア国際映画祭のオフィシャル・ファンタスティック・コンペティション部門で最優秀作品賞などを受賞した。

Twitterでちょっと噂を聞いて「うわ、面白そー」と思ってnetflixを待っておりました。個人的感覚としては「超高速シチュエーション<パラサイト>」。90分にも満たないスピード感ある格差モノ。よかったですね。ちょーっとラストが観念的でしたが。あ、村岡デミーの助演でこのおじいさん入れればよかったな(笑)。

8位 アメリカン・ユートピア

デヴィッド・バーンによるアルバム「アメリカン・ユートピア」が原案の舞台を映画化。2019年秋よりブロードウェイで上演された舞台を再構築し、デヴィッド・バーンと11人のミュージシャンやダンサーたちが舞台に上がる。『ドゥ・ザ・ライト・シング』などのスパイク・リーが監督を務め、デヴィッドと共に製作も手掛け、ラジオDJや音楽評論家などの肩書を持つピーター・バラカンが字幕監修を担当している。

デビット・バーンの「アメリカン・ユートピア」というアルバム自体は当時のベスト10にも入らなかったのですが、「Everybody's Coming To My House」は大好きな曲なので一回見に行くか~と思ったんですが、まさかあの曲が!あの曲が!というデビットバーンのベスト盤でライブしてくれるかのような作品。まー、一切海外アーティストのアクトが見れないこの2年、こういう映画も一回みとくかって感じでしょう。エンタメ枠としてとても楽しめた一作。


7位 ライトハウス

『ムーンライト』『ミッドサマー』などで知られるスタジオ・A24と、『ウィッチ』などのロバート・エガース監督が組んだダークスリラー。19世紀のアメリカ・ニューイングランドの孤島を舞台に、嵐の影響で島に取り残された二人の灯台守の運命をモノクロ映像で描く。絶海の孤島で狂気に陥る男たちを、『永遠の門 ゴッホの見た未来』などのウィレム・デフォーと『グッド・タイム』などのロバート・パティンソンが演じる。第92回アカデミー賞で撮影賞にノミネートされたほか、数多くの映画祭で高い評価を得た。

非常にコンセプチュアルな白黒(ほぼ)二人芝居映画。これも、なにかしら見えるのは(女性不在の)男性性の表れってやつなんでしょうね。安定と信頼のA24のダークさはそのままに、まあでもアリアスター御大にはあまり及びませんが、海神の怒りが~とか会話劇で言う狂った感じが俺好みでしたね。ぶち壊れたように喧嘩したり仲良くなって酒乱になったり、ほんといやになるよな男性性って感じ。


6位 ザ・スーサイド・スクワット ''極''悪党、集結

『ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー』シリーズのジェームズ・ガンが監督・脚本を手掛けた、DC映画最新作。ハーレイ・クインをはじめとする極悪な犯罪者たちが、減刑のために命がけのミッションに挑む。ハーレイ役のマーゴット・ロビーのほか、イドリス・エルバ、ジョエル・キナマン、ピーター・カパルディ、ジョン・シナ、マイケル・ルーカー、ヴィオラ・デイヴィス、ジェイ・コートニー、シルヴェスター・スタローンほか豪華キャストが集結する。

エンタメとしては高水準。しかし知り合い間で評価がすごく分かれるのがこの映画でした。俺はネズミ少女のダニエラ・メルシオールがかわいかったので結構ヘラヘラ「たのしー」って感じで見てしまいました。ギレルモ監督みたいなオタクのオペレーターの渾身の「KAIJU!!!」発声も良かったな。


5位 由宇子の天秤


ある事件を追う主人公が、その過程で自らの価値観を試されることになる。『かぞくへ』などの春本雄二郎が脚本と監督などを手掛け、『火口のふたり』などの瀧内公美が主人公、父親をドラマ「デザイナー 渋井直人の休日」などの光石研が演じ、『かぞくへ』でも春本監督と組んだ梅田誠弘らが共演。高崎フィルムコミッションの全面協力を得て、大半のシーンの撮影を高崎で行った。

「この世界の片隅に」の監督がプロデュースを一部かついだ、非常に硬質な、本当に硬質な日本映画。と に か く いいことが起こらない。その闇にずぶずぶはまる主人公の無様な様子がすごかった。
ずっと主人公はカメラを撮っている。これによって「信」「不信」の天秤がガクガク揺らいでいく。ある映画(これから紹介する2位の映画です)のおじさんのセリフでも、
「この時代の子は何でも撮るんだよ」
という言葉を思い出す。信じる・信じないのシリアスなせめぎあい。
それで選んだ選択は全部BAD。
2時間半の本作が終わったときは心地よい疲れがありました。


4位 映画大好きポンポさん

敏腕映画プロデューサー・ポンポさんのもとで製作アシスタントをしているジーン。映画に心を奪われた彼は、観た映画をすべて記憶している映画通だ。映画を撮ることにも憧れていたが、自分には無理だと卑屈になる毎日。だが、ポンポさんに15秒CMの制作を任され、映画づくりに没頭する楽しさを知るのだった。 ある日、ジーンはポンポさんから次に制作する映画『MEISTER』の脚本を渡される。伝説の俳優の復帰作にして、頭がしびれるほど興奮する内容。大ヒットを確信するが……なんと、監督に指名されたのはCMが評価されたジーンだった! ポンポさんの目利きにかなった新人女優をヒロインに迎え、波瀾万丈の撮影が始まろうとしていた。

アニメエンタメ映画として文句ない内容、文句ない尺(この尺はある種伏線にもなっていて、最後の監督の子のセリフに胸がグサッと一応日曜芝居脚本書きとしても刺さりました。反省しました。)、文句なき傑作だと思います。
噂にはたがわなかった。
しかしあまりにも「創作側」の世界でちょっと社会人兼業芸術家? のワテクシとしては栄光も挫折も「きちいな~」といい意味でも悪い意味でも?思ってしまっていました。すべてを芸術に賭ける辛さはより現代ではシリアスで高リスクになってきましたしねえ…。


3位 あのこは貴族

山内マリコの小説を原作にしたドラマ。結婚こそ幸福と考えて相手探しに奔走する女性と大学を中退して怠惰に生きる女性の人生が交錯する。メガホンを取るのは『グッド・ストライプス』などの岨手由貴子。『さよならくちびる』などの門脇麦、『奥田民生になりたいボーイと出会う男すべて狂わせるガール』などの水原希子が出演する。

いい映画でしたね。
ことさら「格差社会」という問題では「下流の貧しさ」にクローズアップがされやすいのですが、「上流の生活」というものがどういうものか、ということには時間は割かれません。どうせ何不自由ないんだろ? 親ガチャでウハウハなんだろ? という世間のルサンチマンから一旦離れて、この映画を見ると、結局人間はどんな境遇でも(程度の差こそあれ)何かしらの苦しみと、不自由さを抱えているのだとわかります。特にこの不自由さは、自分の出自がいつのまにか調べられていたり、自分より下位クラスと結婚することを許さない上流社会の厳しい掟でこの作品にあらわれます。
更に下流の側もしっかり描かれており、地方でデカい顔して平然と不倫を提案するクソ男が建設系のどら息子で儲けていたり、すぐ脱いだりする汚らしい余興をしていたり、「マジでそうなんだよ」と共感し感嘆しました。
最後付近の、下流側から東京に来た女子二人の喫茶店での会話は、男の自分ではちょっと共感すら許さない、ある種の濃ゆい対話だった。
石橋 静河さんの演技はすごくよかったです。
※石橋さんも助演女優賞に入れれば良かった…。


2位 ヤクザと家族 The Family(netflixにて観賞)

『新聞記者』などの藤井道人監督がメガホンを取り、一人のヤクザの生きざまを三つの時代に分けて描くヒューマンドラマ。ヤクザになった男が大切な仲間や恋人と出会うも、暴力団対策法が施行されたことにより波乱が起きる。主人公のヤクザを『新宿スワン』シリーズや『楽園』などの綾野剛、主人公と父子の契りを結ぶ組長を『終わった人』などの舘ひろしが演じるほか、尾野真千子、北村有起哉、市原隼人、磯村勇斗などが共演する。

正直「新聞記者」より数段面白い。
というより、こんな「ヤクザ映画」はなかったんじゃないかなあ、と思いました。
イントロにも書いている通り、これは(物語でいう第三章で)暴対法以降のヤクザを「アウトレイジ」のようなノワールみなく描き、ヤクザでさえも社会の一員であるという当然の目線から冷徹にドラマを描いています。人員を削がれ全員が老人と化してしまった主人公サイドの暴力団の組の没落のリアルっぷりに驚嘆。そしてウシジマくんよろしくの「半グレ」な若い集団が台頭するところまで、とてもリアルな日本がそこにあります。
この映画を見て、もっとポップにこういうタイプの作品を楽しみたいなら、
「ムショぼけ」が面白いでしょう。こちらはまるで「ごっつええ感じ」のコントを思い出すような板尾が夜勤部長役としてコミカルに登場し、この暴対法以降の日本で、ヤクザたちの「その後」の世界を見せる作品となっており…あれ、これまんまこの「ヤクザと家族」の製作陣がスライドして作ってるんですね。どうりで。


1位 キャンディマン

舞台は、シカゴに現存した公営住宅「カブリーニ=グリーン」地区。その界隈では、鏡に向かって5回その名を唱えると、右手が鋭利なフックになった殺人鬼に体を切り裂かれるという怪談めいた都市伝説が語り継がれてい
た。老朽化した最後のタワーが取り壊されてから10年経ち、恋人とともに新設された高級コンドミニアムに引っ越してきたヴィジュアルアーティストのアンソニーは、創作活動の一環としてキャンディマンの謎を探求していた
ところ、公営住宅の元住人だという老人から、その都市伝説の裏に隠された悲惨な物語を聞かされる。アンソニーは恐ろしい過去への扉を開いてしまったのだ......。

スルッと決まった今年のベスト映画。
理由は、これがある種都市伝説のモダン化、非現実のモダン的復活であるからだと思います。
全体的に、「ある種のエンタメ性ある映画」「現代の社会問題をうまく作品に落とし込んだ映画」の二つの傾向で俺は映画を好きになっている感じがするんですが、これはそのどちらもある。かなり伝統的なホラーの文脈を抑えながら、現代の社会性をしっかり味付けるジョーダンピールが製作協力でバックアップ。そこにあるのは、自分が本当に好きな、古典の神や悪魔のデザインをモダンに転生させた金子一馬が手掛けたかのような「現代の怪物」でした。ある種のチープさも伝統的ホラーの側面では?と間引いたかもしれませんが、最後のキャンディマンのセリフを刺さるものがありました。
 ジョーダンピール映画によくある「主人公は(あるいはそれに近しい人物も)昔よくいた風な黒人像ではなく、芸術などに関心を持つタイプや貧困層ではなく中間層」という要素もありましたね。
 ぜひ、「真・女神転生Ⅵ」にキャンディマンは出してください(笑)。

おまけ1:村岡デミー賞ツイート



おまけ2:今年下半期はまった「ゾゾゾ」関連 オールシーズン個人的に怖かったベスト10(ほぼ一言感想)


10位 発見されなかった友人の遺品 - What the deceased left behind
(フェイクドキュメンタリーQより)

フェイクドキュメンタリーQはこれと「鏡の家」が怖かった。どう完結させるのか楽しみですね。


9位 解禁!封印されたホテル皇邸

見つけられるメッセージからのお札発見までの流れは見事。
ちょーっと落合さん、そこで紙拾えるの都合よさげじゃない?(笑)
とは思いましたが。


8位 【閲覧注意】拾ったら死ぬ…心霊スポットに捨てられた噂の写真を追え!謎の一軒家を巡る恐怖の全記録(ゾゾゾの裏側より)

「ゾゾゾの裏側」・「家賃の安い部屋」の渾身長尺回。充実の内容。


7位 本当にヤバい!最恐スポット首狩神社で最悪の遭遇!?現場騒然の緊急事態発生!


単純に、いちばん人間が怖い、ということがわかる動画。おそらく物音は人間だろうと思うので。どちらにしても。


6位 取り残された廃屋の謎を追え!決死の撮影で一同を襲う恐怖の展開と禁断の全貌!

首狩り神社と同じく人間が怖い案件。廃屋自体も、パンチある立て看板や外国人位牌も、おおおと思うもの多し。


5位 廃旅館で恐怖のひとりかくれんぼ!視聴者が選んだ!ゾゾゾセカンドシーズン人気投票BEST20大発表スペシャル(の ひとりかくれんぼ部分)

やっぱ嫌ですよね。ひとりかくれんぼ。単純にルーリングが嫌なんですよ。ルーリングの説明聞くだけで調子が悪くなる。
だから最初にこのルーリングを発明した人間は相当ホラーの才能があると思います。


4位 【後編】浮遊霊の巣窟と化した廃ホテルで心霊写真は撮れるのか?

長尾君がガチで怖がる回は鉄板
ウヨク的な施設だったのも興味深くて面白かったですね。


3位 【後編】戦慄の家で恐怖の実証実験!岡山最恐のヤバイ家スペシャル

棺のような箱が3つ並んでる光景はさすがに心臓に悪かったです。


2位 SIREN(サイレン)羽生蛇村の岳集落・廃村に潜入スペシャル!
※【前編・後編まとめて】

「やらせ」だとしてもシンプルに怖さをあおってることに成功したシーズン1の鉄板回。


1位 恐怖!ホテルセリーヌの呪われた妊婦絵を撮る!長野のヤバい心霊スポット大突撃スペシャル

絵が不気味すぎるし10回撮るというルーリングも独特。
更に長尾君が危機感持つという鉄板印。
さらになんか別サイトの考察でもやや戦慄&納得。一位。

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