二段熟カレー

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祝日

ドアが開くと、篭っていた水の流れる音が鮮明になる。 「ねえ、ちゃんと便座下げて出てきてよ」 「ごめんごめん、あ〜腹痛え」 彼がお腹を愛でるように摩りながらトイレから出てきた。 「だから昨日言ったじゃん、お腹壊すよって」 「それでもニンニク食べたかったんだから仕方ねえじゃん、今日休みだしお腹壊してもなんとかなるかなって」 昨晩仕事を終えた私たちは、祐天寺で集合してラーメンを食べに行った。 そこのラーメン屋はつぎたしのタレで漬け込んだ焼き豚ラーメンを売りにしており、そ

    • ニート生活記 延長線「14歳の栞」

      ゴールデンウィークで一回はもしかしたらと思っていたが、まさかのやめてすぐに書きたくなってしまった。本当に一旦これで最後にする。 名古屋駅から出てすぐの所を歩いていたら、足元が不確かな一人でぶつぶつ話しているおじさんを見た。その人を追い越しながら、ヤバそうな人だなと思っていた。そして信号が赤で止まっているととそのおじさんが追いついてきて話しかけてきた。 「その帽子かっこいいね」 前歯が欠けていた。 「あ、ありがとうございます」 「この帽子何かわかる?」 そう言っておじさんは自

      • ニート生活記 31日目(最終日)

        今日はこの一ヶ月で一番なにもしなかったように思う。耳や喉がかゆくていつもより早く起きた。夜中も断続的に起きてしまったからやけに意識が手元から遠いところにあった。 雨が降っていたから朝の散歩もしないまま夜中にやっていたU23の試合を見た。オリンピック出場決定のテロップは昭和のテレビの書体だった。なぜテレビは変わっていっているのにこういったお祝いみたいな時のテロップは昔ながらなのだろうかといつも思う。 それが終わってからはゴットたんを見たりオドぜひを見ていたりした。ずっと眠いか

        • ニート生活記 30日目

          今日は29日(ブックの日)だから、起きてすぐにブックオフに向かった。 レンタルビデオ屋と同じように、五十音順に小説中心に探していった。この時間が本当に愛おしい。何かと出逢えるワクワク感が常にある。 文庫5冊と漫画1冊を購入して帰宅して、その本を適当に片付けていたら、買った漫画の同じ関数の漫画がすでに家にあった。 「あちゃ〜」と心の中で呟いて、それに続けて「アチャモあちゃ〜、あち、a chi chi a chi 燃えてるんだろうか」とポケモンと郷ひろみを数珠繋ぎで呟いた。これを

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          ニート生活記 29日目

          今日も朝起きてすぐに散歩をした。どこか街が浮かれていたのは日曜日だからか。洗車している向かいの家では家庭菜園をしていたし、中学校ではサッカーの試合の準備をしているようだった。 家に帰ってテレビをつけたらワンピースがやっていて漫画ではチラチラと見ていたが、キャラクターのカラーがイメージと全然違った。食欲が失せるようなケーキの色をしていた。 それから私にはもう書くことしか残されていないから、昨日途中で寝てしまった構成を再度考えていた。音楽をかけながらメモ帳に書いていく。日曜日の

          ニート生活記 29日目

          ニート生活記 28日目

          朝起きて、少しダラダラした後レンタルビデオ屋へ久々に行った。 二階建ての店内は、前は一階にレンタルコミックやゲームなどで二階はすべてDVDやBlu-rayだったが、今はレンタルコミックも二階へ移動し圧縮されていた。 邦画、洋画、アニメ、それらの中でも分類されているジャンル、全ての配置を覚えていたが変わっていたので迷った。 やっと店内の配置を理解すると、レンタルするものを選んでいった。ジャケットで気になるものを選んで手に取り、表紙や裏表紙に書かれたあらすじなどを読んだ。もちろん

          ニート生活記 28日目

          ニート生活記 27日目

          本で読んだ愛を試そうよ 起きてまず、天気がどうだとか体調がどうだとか感じる前にlaura day romanceの「step alone 孤独な足並み」のひとフレーズが再生された。多分昨日寝る前に聞いていたからだと思う。 やることはあるが、今日やるべきことはないので熱帯魚を1時間ほど眺めていた。あまり動かないけどなぜか退屈はしなかった。 昨晩のU23の試合を見てから、お昼ご飯を食べて家を出た。 近くの距離にブックオフが3軒あるのですべて回った。ブックオフはその地域によって雰

          ニート生活記 27日目

          ニート生活記 26日目

          ニート生活記 26日目 久しぶりの晴天のように思う。起きてすぐ、ジャージを羽織って散歩に出たが汗ばむほど暑かった。Xでアユニが「めちゃくちゃ気づいたら俺はなんとなく夏だった過ぎる」とポストしていて、まさにナンバガ日和だ。 普段ドラマはそこまで見ないが「アンメット」と「からかい上手の高木さん」をまとめて見てから、トリュフォーの映画を見た。 昨日ふと自宅で映画を見るのは制限しようと思い立ったばかりだったがさっそく一本見てしまった。明日からは本当に制限しようと思う。 映画が終わって

          ニート生活記 26日目

          ニート生活記 25日目

          なんだか最近眠くて今日はいつもより少し遅めに起きた。雨の1日だとは知っていたが、外へ出ると気にならないほどの細かい雨だったので散歩をした。轢かれて死んだ蛙を見て、苦手な生き物の活動が活発になりつつあるのだと思った。 夜中にやっていたアーセナルとチェルシーの試合を見た。 それから部屋の片付けをした。旅の片付けは済んでいたが、部屋が散らかっていたから押し入れから何まで全て整理をして、掃除をした。大きな本棚と小さな本棚が二つあるのに、収まりきれないほど本や漫画が増えていてそれを整

          ニート生活記 25日目

          ニート生活記 24日目

          朝一で映画を見に行こうと起床したが、細い雨が降っていたので一つ後の映画にすることにした。 だから2時間ほどの空き時間、録画を見たりラジオを聞いたりした。 それから雨が上がったことを確認して家を出た。 映画館に入ると一番後ろの席に、一人の客が3人まばらに座っているのを一瞬の視界で確認した。自分の席について予告編は興味がないから目を瞑って上映開始まで待った。 鑑賞した映画はアンドリューヘイの「異人たち」だ。山田太一原作で大林宣彦の「異人たちの夏」も好きだしアンドリューヘイの「荒野

          ニート生活記 24日目

          ニート生活記 23日目

          昨晩自室へ入って布団に入ったが、飼い猫の鳴き声でなかなか寝付けなかった。 飼い猫はいつも寝室で両親と寝ているが、旅行で不在で寂しかったのだと思う。 鳴き続けるものだから私はリビングに戻って布団を底に敷いた。飼い猫は怪訝な様子であちこちの匂いを嗅いでいたが、慣れてからは私の足元の方で横になった。私も知らない間に眠りについていた。 5:40に設定していたアラームが鳴って目を覚ました。母は驚くほど早起きでそれに連なって飼い猫の朝ごはんも早い。多分もっと早い時間に上げているとは思う

          ニート生活記 23日目

          ニート生活記 22日目

          雲一面の中で目が覚めた。 低気圧だからか体もどんよりしていた。体調を確実に低気圧のせいにしてしまうと、低気圧だから体調が悪いの結びつきが毎回決定的になってしまうのでそこだけは避ける。 夜中にやっていたアーセナル戦を見ながら朝ごはんを食べて身支度をした。 10時に友達が車で迎えにきてくれて市内の体育館へ向かった。 着いた瞬間から活気のある体育館で私たちはバスケをした。当然病み上がりだから走れず、重心は常に不安定だった。忍び寄るような暑さに汗を流しながら何とか2時間バスケをした。

          ニート生活記 22日目

          ニート生活記 21日目

          体調はずいぶん戻ったのでバナナムーンゴールドを聞いて朝散歩をした。 映画も見れそうだったので「カラオケ行こ!」を見た。久々に見た映画だった。 和山やまの漫画は少ししか持ってないから買おうかなとか思った。 うどんを食べて薬を飲んで、少しだけ昼寝をした。起きてインスタを見ていたら、おすすめにおばあちゃんが出てきてタップしてみると、山間の中でおばあちゃんがキックボードをするだけの動画だった。気になって他の投稿も見てみるとお手玉を使って遊んでいたり、そのお手玉で創作して新たな遊びをし

          ニート生活記 21日目

          ニート生活記 20日目

          まだ頭がぼーっとするが、だいぶ体調は良くなった。復活!、と声に出して言ってみた。 だから朝散歩に出て、待ちに待ったカネコアヤノの新譜を再生した。ここ最近とは少し変わった音楽だったが相変わらずのパンクさで日差しが気持ちよかった。「仮病を使って休んだ日に見た あなたと午後の光が僕を包んでくれるかぎり」は特に撃ち抜かれた。 それからまだ残っていた旅の片付けを済ませて、散らかったままだった部屋を最低限片付けた。窓を開けようと思ったが黄砂が飛ぶという昨晩の天気予報をぼんやり思い出して

          ニート生活記 20日目

          ニート生活記 19日目

          夜中一度も腹痛はなく寝ることができた。 目を覚ますと、9:30頃で昨日寝てばっかりだったが体調不良はやはり体力を持っていかれるのだと感じた。 散歩に出るほど元気ではなかったから、ベランダに腰掛けてゼリーを半分食べた。 溜まっていた録画を意識の遠いところで見た。時間の経過にいまいち鈍感で気がついたら正午を過ぎていたので残りのゼリーを食べて薬を飲んだ。 全く手付かずだったキャリーの片付けに着手した。手洗いしたいものもあったから桶に水を張って、洗った。途中で階段に腰掛けたりしてい

          ニート生活記 19日目

          ニート生活記 18日目

          夜中、お腹が痛くて何度も起きた。 あまりの腹痛に便座に座ってられなくて、トイレの床に倒れ込んでのたうち回るほどだった。血の気が引いて全てがどうでも良くなる感覚は久しぶりだった。 結局朝早い時間に起床して座椅子で過ごした。 昨晩熱は下がっていたが、今朝熱もあったので病院に行った。そこで体温を測ると平熱でよく分からない。診察をして薬をもらって、スーパーに寄ってから帰宅した。ボッーとしたまま昨日のU23の試合を見てから、布団で横になった。何度かトイレのために体を起こした。気づいた

          ニート生活記 18日目