「ジブリと宮﨑駿の2399日」を観た。

12/16にNHKで放送された「ジブリと宮﨑駿の2399日」を観た。
クリエイター宮﨑駿の仕事というよりは余りに人間・宮﨑駿の映像で泣きそうになってしまった。

映像で映し出されていたのは大事な人を喪失した人間の踠きと、迫り来る死の姿だった。
ここまで高畑勲と向き合って生み出された映画だったとは想像していなかった。
(ドキュメンタリーとしてその色が強くされている部分はあるのかもしれないが)

僕が愛したあの人は 誰も知らないところへ行った
あの日のままの優しい顔で 今もどこか遠く

米津玄師『地球儀』

「脳のふたがあいた」クリエイターの狂気を纏う宮﨑駿には"老い"の姿がオーバーラップされていた。
まもなく83歳になる宮﨑駿。
番組冒頭では軽やかにシトロエン2CVを乗りこなしていたが、既に免許を返納したというニュースを以前見た。

死は解放だよ

宮﨑駿

番組全体にはこれまでのジブリ作品の映像やセリフが散りばめられ、『君たちはどう生きるか』それ自体と同様に宮﨑駿の作品を刻んできた生き様を感じることができた。
かつて作品の中で生み出されたセリフが現在の姿に返ってくる映像を見てクリエイターが作品を残していく尊さを感じた。
また、どこか走馬灯のようでもあった。

映画の中で高畑勲である大叔父と対話しにいき「自分の時へ戻れ」と言わせた宮﨑駿。

この世に戻ってくるのは面倒臭い

宮﨑駿

番組の最後はいつものように「面倒臭い」と言いながら生きている宮﨑駿の姿で締められる。

効率化や便利さ、潔癖さが求められ是とされる世の中で面倒臭いと呪いながらも無邪気な笑顔を見せながらタバコを噴かす宮﨑駿はどこまでも人間で、カッコよくて涙が出た。


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