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激化する人材競争をリファラルで生き抜け。

前回の投稿で「世界中の誰も彼もが競争相手になる」的な未来の話をしました。
詳しくは、前回のエントリーを読んでください。
今回は、その競争を生き抜く方法です。

大量の均質に見える選択肢がある場合、差別化は情報の非対称性に凝縮される。

競争が行き過ぎると、解消できない情報の非対称性が極端にレバレッジを効かせてきます。逆にいうと、そう言った面でしか差を作れないともいえます。

履歴書、経歴が似通った人なんて世界中にごまんといます。
その中から違いを生もうと思ったら、書類外の部分で差別化をしていくしかありません。(当たり前ですが)

リファラルはその最たるもので、歴史・人間性など書類や短時間のインタビューでは伝わらない情報を凝縮して相手に伝えることができます。信用という形で。

リファラルこそ情報の非対称性をポジティブに生かした生存戦略というわけ。

リファラル採用時代とは

人に紹介されて仕事を得る時代がくる。特にこの副業時代。絶対くる。来ている。

もちろん信用が重視されるが、一方で縁故採用など、能力に何も関係がない採用もある。採用方法としては、双刃ではあったのかなと。

ただし、きちんと体系化されてそれなりに確立した手法にもなってきている。

タレント側の信用度と企業の信用度を仲介する人が双方に伝えてマッチングさせる。
情報の非対称性の弁のような役割を既存メンバーに依存して行うのがリファラル採用です。

eNPSとは

企業側の信用も重要で、eNPSという指標を使って企業のおすすめ度を測定が可能です。
「eNPS」とは、Employee Net Promoter Score の略で、「従業員エンゲージメント」を測定します。

自社への入社を勧めたいか?という質問に対して1〜10点をつけてもらい、それを元に算出した値がeNPSとなります。

参考までに日本企業のeNPSが業界別に出てたので、共有します。

https://www.imjp.co.jp/news-report/common/eNPSreport_1.jpg

低すぎて、どん引きです。この状態ではリファラル採用なんて無理。誰も推薦してくれないわけですから。

リファラル採用は最近は取り沙汰されてい、流行ってきてます感が出ているのですが、日本企業のeNPSを見たらうまくいくんかな?と疑問が残ります。

とはいえ、リファラル採用の大半を占める企業もあるのでやり方によっちゃ結構いい線いくと思うのです。いずれにせよ、そういうところはeNPSがもっとずっと高いはず。

僕がリファラル採用コンサルする場合はeNPSは少なくとも正の値まで目指して社内環境を調整します。部署再編も含め。

信用は情報の非対称性のアウトプットの局地

「この人が推薦しているから信用できる」は、つまり情報が欠落した状態でも、もしくは比較検討可能なだけな差がない状態でも、AとBの間に差を作って比較可能にすることと同義です。具体的な情報がないのに!

憧れは理解から最も遠い感情だよ。と言ったのは誰だったか。

信用も行きすぎれば似たようなもんですが、リファラルってほとんどそれに近いです。
採用担当が知覚できない過去の出来事を、誰かの感覚に委ねて判断するのですから。

リモートワーク・クラウドワーカー・副業時代の情報格差を埋める「リファラル」

逆に、情報がどうしたって取得できない場合、そのギャップを埋めるリファラルは非常に有効です。

クラウドワーカー・業務委託などで取引先にする相手が信用できるか、期待通りのアウトプットを出してくれるか。どうやって判断すればいいのでしょう?

これまでのアウトプットを確認できればいいですが、ほとんどのケースで無理なのでは?

クラウドワーカーに発注して、何にも動かないモックのアプリケーションを納品されたことがある企業からリカバリーができないか相談を受けたことがありますが、それはもう悲惨な現場でした。(納期が一ヶ月なかったので、結局受けてませんが、、、。)相手の実績が不明瞭な中で起こる最悪なケースの一つですね。

マッチング系のプラットフォームは、悪貨は良貨を駆逐するの典型で、徐々に廃れていってしまう可能性が80%ぐらいの確率でありそうだなというのが肌感です。あとはプラットフォーム側の自浄能力次第・取り扱っている案件次第な気がしますが、低単価系以外の案件は早晩消え去るでしょう。つまりプロはいなくなる。

上述したような、情報がないことで起こる事故を回避するのがリファラルです。過去のプロジェクトからその人がどんなパフォーマンスを発揮したかを定性的に把握できるのでいわゆる炎上案件の回避に役立ちます。

リファラルで自分の身を守る

自分の去就だけの話ではない。
自分が属しているチームをリファラル採用を通じて、固めていくというのも立派な戦略です。

無能・虚言・足の引っ張り合い・陰口・仕事のための仕事しか増やさない。そんな方々いますよね。絶対います。
そんな低効率アウトプッターと一緒にいたら、せっかくいい職場にいても意味がありません。というかそれっていい職場じゃないと思うけど。。。

自分の周りに、お互いに信頼し合えるメンバーで固めて業務効率を爆上げできるように体制を整えていくのも立派で必須な戦略です。

これまで人事権がなかった一般社員がリファラルを通じて、社内メンバーに少しでも影響を与えることができるのです。都知事選の1票とは比較にならない影響力ですぜ。

やるっきゃない。

超リファラル時代を想像する

最後に、リファラル時代の次を考えた場合何があるのかなと。

いまの採用が結果重視主義の採用だったとしたら、結果が同じなのであれば、職場・チームメンバーとどれだけ楽しく仕事をしていたか、ポジティブな影響を与えたか。が指標になる未来もあり得る。

つまり、eNPSが会社の「入社おすすめ度」として機能し始めている対として、co-worker NPS というものが今後出てきてもいいと思います。

「この人と一緒に働くおすすめ度」を誰かがリファラル情報とひて付与してくれる世界観です。

個々人がそれを独自にアンケートをとって公開していってもいい。Youtrustなんかは、ぜひ導入した方がいい機能。

「あの人いいですよ」の中身が曖昧である以上、質問を具体化、シンプル化して標準化した評価軸として整えたところが次の採用をとる気がする。

質問としては、
(1)この人と一緒に働くことをおすすめできますか?
(2)この人とまた一緒に働きたいですか?

の二つのうちどちらかを採用してもらって。

目的を達成する頃には、本当に欲しいもの(仲間)なんて手に入っていた。的な世界観。いいと思います。

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