見出し画像

読書会の新年会とアイデンティティ

先日読書会の新年会に行ってきた。メンバーの1人であり、こちらに長く住み子供たちも手を離れ趣味に仕事にとアクティブに過ごす日本人の先輩女性が企画してくれた新年会。まわりにいいお店ない?と聞いてくれてこちらのメキシカンを予約してくれた。行動力が並外れており元読者モデルらしいですが、とにかくアクティブでパワフル。50代?くらいから20代?くらいの幅広い年齢の女性達が既婚子持ち子なしを問わず本の好みも様々だけど、だからこそ新しい発見があるこの会がすごく好きで、できるだけ時間をつくって顔を出すようにしている。今回集まったのは7人。まずは本の返却と貸し借りが行われるのがこの会らしい。新しく借りた本の感想は次回で。

駐在で来てる方もいれば日本人の旦那さんと永住組、パートナーがベルギーの人などみなバックグラウンドは様々。盛り上がったのはアイデンティティの話。ベルギー人とのいわゆるハーフのお子さんを持つ方が子どもは大学生で飲食店でバイトなどをしていると外国人と揶揄される事もあるらしく、またその際はすぐカウンセラーにみてもらうと良いとのこと。日本人との永住組も子どものアイデンティティ形成についての悩みはつきない。

最近多用されるアイデンティティの言葉がどうも私はしっくりこない。というか人類学ではもうアイデンティティという言葉はやめてアイデンティファイドにしましょうという教授もいるくらいトリッキーで危なっかしくきちんと定義されずに使われている言葉なのだと思う。

ハーフ(あえて使ってますが)だからアイデンティティに悩むのは当たり前?本当に?私は日本人の両親を持ち日本生まれ育ちだけど、自分のアイデンティティ(なのかはわかりませんが)=日本人という事にずっとしっくり来なかった。禁止されてたわけではないけど今話題のお笑い芸人が出てるバラエティなども見たことも興味もなく育ち、いつも変ってるねと言われてきた。どこか違うとは思いながら何が普通かわからず変わってるという言葉が怖くもそう言われ普通カテゴリーから外されることに安堵してきた。個性を売りにできる強さも才能もなく、ここより合う場所があるはずだと思い描いたイギリスの地でできた女友達にもらった「個性的だけどそんなあなたが好き」と書かれた手紙を見た時はもう笑えてしまった。こんな遠くに来て外国人の友人にまで変わってるって言われるなんて。。。

イギリス時代のクラスメイトはどう見てもイングランド人だったけど、祖父がスコットランドの出身らしく自分のアイデンティティはスコティッシュと言っていた事にびっくりした日を思い出す。ちなみに彼はゲイでブディスト(仏教徒)だった。シュッとしており物腰柔らか、英国男性にある薄めの整った顔立ちで女友達が多くパートナーがいたことは私が知るころはなかったと思う。

大学院の授業でベルギーで有名な聖人(Father Damien)についての雑談で彼はアメリカのハワイにも長く住みそちらで活動していたので、亡くなった際にはベルギーの聖人なのかアメリカの聖人なのかと議論になったらしい。教授は「今はclaim(主張)する時代なんだよ。」と言っていたのが印象に残った。

アイデンティティも国籍などまわりから与えられるものでなく、自分でclaim(主張)するものなのかも。理由があるから悩むのではない。私達はみな悩むんだと思う。アイデンティティという言葉が嫌いだし、カテゴライズされたくない。性が自分でclaimする時代になった今、アイデンティティもまわりからでなく自分でclaimする時代がもうすぐ来る、はず。夫は笑うけど、私はわりと真剣にそう考えてるし願っているのです。


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?