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【鑑賞ログ】川瀬巴水 旅と郷愁の風景

今日は『川瀬巴水 旅と郷愁の風景』を観に、八王子夢美術館へ行ってきた。

この企画展があると知った時から、とても楽しみにしていたので、調子に乗っておろしたての靴を履いて行ったら、美術館にたどり着く前に靴擦れした。

なので、美術館の近くにある「LIVE&CAFE SAKURAYA」という喫茶店で小休憩することに。

チーズケーキとアイスコーヒーを注文した。
ラム酒漬けのレーズンが乗った、舌触りの軽いレアチーズケーキで、とてもおいしかった。

他のお客さんは常連がほとんどのようで、店員さんもお友達のように親しげだった。こういうお店に来るのは、すごく久々だなと思った。

靴ずれと共に擦れた心が少しだけ回復したので、美術館へ。

企画展のチケットが900円で、年間パスポートが1,400円だったので、年パスを買うことにした。

2回来たら元が取れてしまうけどいいのか、と言いたいところだけれども、私のような者にはとても有難い。いまの企画展の会期中にまた来よう。


展示は、右回りに進むと、時系列順になるように展示されていて、川瀬巴水のデビュー作から遺作までの約150点を見ることができる。残念ながら、撮影禁止のため写真は載せない。

川瀬巴水は、浮世絵の最期と言われている新版画の絵師で、風景を主に描いている。

デビュー作は、塩原を舞台にした連作。
伯母夫婦が塩原に住んでおり、何回も訪れたことがあったため塩原を選んだのだそうだ。

私も舞台選びに頭を抱えているので、少しだけ参考になった。「ここでいいや」とテキトーに決めると、作り始めてから「やっぱり、別の場所の方が良かったかも」と揺らぐので、明確な理由があった方がいいのかもしれないなとかね。


また、川瀬巴水は1年間で、39作品以上も作っている年もあるほど、コンスタントに制作していた。これには、版画の分業制も関係していると思うが、それにしても9日に1枚は描かなければならない。

1人で同じことをしようとすると、1枚で何日かかるのだろうか。1枚の木版を彫るのに2か月かかるそうだから、半年に1枚…

伝統的なことを丸ごと引き継がなくてもいいから、省略できるところは省いていこう。私が欲しいのは、木版画の色の美しさだけなのだから。

もしかしたら、3Dプリンターやレーザーカッターで版を作れるかもしれないし、シルクスクリーンでもインクを変えれば、木版っぽい発色になるかもしれないし、木版は外注するという手も無くはない。

まあ、でもいまは、そんなやりたい放題できるほどの富豪ではないし、自分で手を動かして得られるものもあると思うので、地道にやっていこうと思う。

なんだか考えさせられる事が多くて、とても勉強になる展覧会だった。