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今秋のなづき公演に向けて

2023月8月6日(日)
プロジェクトなづき吾野宿公演『道』初稽古

実はプロジェクトなづき発足当初、掲げていたことがあります。本来なづきは作・演出も固定ではなく、メンバーの中で何か「これやりたい!」「何かひらめいたぞ!」というものがあれば、それを話し合い実践し、作品にしてゆく……その際、特に演出は思いついた人が可能な限り担う、そんな集まりです。

今回の新作公演『道』を形にしてみよう。そのきっかけを作られたのはゴーレム佐藤さんでした。恐らく公演当日まで秘密ですが、この舞台には絶妙な仕掛けがあり、ルールがあります。これは川津ではなかなか思いつかない、けれどもどこか今までなづきがアウトプットしてきたテーマと地続きのものが流れています。また川津自身、他者の演出から学びたいという思いが以前から強くありました。先ほど述べた仕掛けとルールを基本とし、参加メンバーの即興稽古を月読彦さんが構成、演出はゴーレム佐藤さんが行います。

昼間ですがお酒を呑んだり、ココアをいただいたり。和やかながらも密度濃く作品作りの土壌をひろげてゆきます。ゴーレムさんは自主稽古で感想を言い合う時「決して否定しないこと」が大切だと言っていました。ゴーレムさんは芝居のはなしを展開される時も少しゆうるりとしつつもほぼライブの叫びと同じ調子で話されるのでアイデアが爆発し、それを受けてメンバーが大笑い、そして自発的な発言が増えるという生の循環がうまれてゆきます。川津は稽古場でこんなに笑っている伸枝さんを見るのははじめてで、なんともうれしかったです。

さて、自主稽古です。今回は川津からスタート。「今やってみて、どう思いました?」とゴーレムさん。自分がおこなったことについて質問をいくつかされて、それに答えてゆく。上野憲治さんより「まだ頭で作っている気がする、身体の方に降りてきていない」とアドバイスをもらいました。これはアートのどの分野と関わる時もはじめの頃に川津が指摘されるところで、反省。「自分が思うよりもっと具体性を持ってやりましょう。ほら、川津ちゃんは自分で本を書く時も結構設定を細かく書くでしょ」とゴーレムさん。

次は上野さん。稽古を終えるとゴーレムさんと先ほどのやり取りが。川津はこのアクトには上野さんの根っこにある主題の一つが象徴的にあらわれていると思いました。伸枝さんは川津とは真逆の感想で、とても面白く聞きました。川津は頭で考えがちなのですが、伸枝さんは実生活にきちんと根づいたものの考え方をされるので、とても勉強になります。

さて、伸枝さんです。田口和さんの稽古を受けてきて、ゴーレムさんとの自主稽古は今回はじめての伸枝さん。そのアクトの思い切りのよさ、また身体的な動作が生活としっかり結びついている所、酷な状況なのにカラッとした台詞などを観て、ゴーレムさん、上野さんはとてもうれしそうでした。川津は伸枝さんのアクトのそういったところのファンですから、内心にやりとしていました。伸枝さんが参加されることで、また多面的で奥深い芝居となりそうです。

月読彦さんのアクトは短いながらも「面白いね」とゴーレムさん。物語の構成を熟知しているからこその出来栄えと言えるでしょう。

最後にゴーレムさんがアクトをされ、この日の稽古は終了。次の稽古までにやる宿題が出ました。

稽古終了後の呑み会でゴーレムさんより「川津ちゃんはあと3皮むけたらいい役者になる」と言われました。昔のことですが、詩に関しても同じことを当時師匠に言われました。経験からいうと大体2.5皮むけるまでに10年はかかります。あとの0.5皮むけるというのは、これは年数ではない場合があり、年数な場合もある……とてもデリケートでハードなことです。そしてこの0.5皮は、それをむくことのできる力を近づけさせるものをその時こちらが持っていないとチャンスとして成立しない。またたのしみな苦労が増えました。

近日中に新作公演『道』の告知をしますが、今回は楽師ではなく強力なゲストをお招きしました。余談ですけれども楽師に関しましては、別の企画を立てようと現在水面下で動いています。

次回の稽古もよき意味で予想がつかず、待ち遠しいです。

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