見出し画像

プロジェクトなづき初稽古

2023年1月7日(土) プロジェクトなづき 初稽古

吾野宿にて新作公演『門』の初稽古をおこないました。

館の当主大河原さんへの挨拶をほどほどに済ませ、まずはお屋敷を舞台として利用するための、現状把握です。アクティングエリアとお客様の席をどのように配置するかの見当。次に何か舞台で使えそうな小道具が蔵に眠っていないか、今井歴矢さん、田口和さん、伸枝さん、川津望でちょっとした探検を。その間月読彦さんは吾野宿内のレストランで吾野宿当主大河原さんと企画書を通して打合せでした。

あらかじめ企画趣旨書をシェアしていたのですが、改めてメンバーに作品イメージを共有しました。東京での公演では主に作・演出の経験、記憶がバックボーンになっていましたが、今回は違った手法で臨みます。物語の骨格は始発として用意はしますが、一言でいうと吾野の地霊との共作で創造してゆきます。吾野の土地を歩き、建物に身を置き、語り部の話に耳をすませ、時に疑問をぶつけて、内的につかんでゆく。そうした手順を踏んで、アクターがそれぞれに自分の性質に合わせてアバター/役柄を見出してゆき、属性、性格や年齢、経歴を細かく、丁寧に設定。そうやって具体的な台詞やムーブを現場で創発。アクター個人の持っているもの、また現場で出てきたものを時に自己分析をまじえ仲間と即興を繰り返しながらさらに練ってゆくのです。

それらの情報は参加メンバー間で共有します。コロナ禍の現況、公演当日いかなる編成となっても作品を成立させるためひとりのアクターが複数の役柄を演じられるようにしておくこと。こういったことにアバター/役柄の情報の共有は役立ちます。

この日は快晴でした。稽古の前に、本公演のためのCF撮りを伸枝さん中心に実施。撮影半ば田口さんにも表情の演出を施してもらうなど素材撮りは充実、完成が待ち遠しい。

いよいよ稽古、ですが久しぶりだったのでまずは田口和さんによるエチュードで感覚や身体をほぐしてゆきます。「吾野宿にはじめて来た」をキーワードに今井さん、伸枝さん、川津で関係性や気分の方向性を変えて即興、田口さんからその都度フィードバックしてもらいました。
ウォーミングアップにより身体があたたまったところで作品稽古です。今回の作品『門』は途中幕間も取り入れたオムニバス形式を考えています。山で恐ろしいものを視たという男が登場し、ストーブの前でその打ち明け話を聴く男。また熊の幻影。演出と参加メンバーでそれぞれ想像するイメージを出し合いながら進めてゆきました。あらかじめ参考資料としては高村光太郎の詩篇「狂奔する牛」を選んでいました。
稽古を繰り返す流れでみんなで作ったタイムラインを演出が口頭で確認。舞台装置も想定しながら仮台本を頭の中で作成。仮留めしながらシーン稽古を続けます。

炎盛んなストーブを前にインスピレーションがあふれ、参加メンバーそれぞれが一歩踏み出せた一日でした。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?