村井チェアマン、堀江貴文氏らが語り尽くした「Jリーグの成長戦略」

こんにちは。NewsPicksアカデミア 第2期アンバサダーの宮崎恵美子です。

2月15日は、毎年開幕前(今年のJリーグ開幕は2月23日)の2月に実施している、Jリーグ全クラブの選手や監督が集合した開幕前イベント「2018キックオフカンファレンス」の特別企画として、2018年のJリーグを主にビジネス的側面から深掘りするシンポジウムが、NewsPicksとのコラボイベントとして開催されました。
https://newspicks.com/academia/events/85

登壇者は以下の通りです。
第1部Jリーグの成長戦略について
村井満(Jリーグチェアマン)
堀江貴文(実業家)
高田明(「ジャパネットたかた」創業者/V・ファーレン長崎社長)

第2部Jリーグクラブの成長戦略について
村井満(Jリーグチェアマン)
高田明(「ジャパネットたかた」創業者/V・ファーレン長崎社長)
木谷高明(新日本プロレスオーナー/ブシロード取締役)
武田信平(川崎フロンターレ前社長)

モデレーターは、第1部・第2部とも佐々木紀彦NewsPicks編集長

第1部はJリーグの成長戦略について

第1部ではJリーグの成長戦略について議論がかわされました。

村井チェアマンからは、今年から「フライデーナイトJリーグ」として金曜日開催の試合が行われるようになったことが紹介されました。
やはり大きかったのは、DAZN(ダゾーン)効果
ここでDAZN(ダゾーン)について少し付け加えると・・・
DAZN(ダゾーン)は、 明治安田生命Jリーグ、プロ野球などの国内スポーツをはじめ、MLB、F1™、UFC、Vリーグ、NFL、WTA、そのほか多くのスポーツコンテンツをカバーする、ライブ&オンデマンドのストリーミングサービスです。
https://watch.dazn.com/ja-JP/sports/

2017年度から10年間で総額2100億円のJリーグの独占配信権放映権を10年契約で勝ち取ったのがDAZN(ダゾーン)。年間で210億円。 2016年度までJリーグの放映権を持っていたスカパー!の年間の放映権が50億前後と言われていますので、その額はなんと4倍にもなります。

堀江さんは、DAZN(ダゾーン)がドコモと組んでいたこともあり、ダゾーンの契約者が増えて、累計で100万人の人がJリーグを視聴するようになったのがよかったと考えているそうです。ちなみに、以前スカパーが独占していた時は、視聴者は20万人くらいだったそうです。

視聴するのに使っているデバイスは、同じ人でも複数使っているものとみられます。
テレビで見ている人の視聴時間は長めスマホでみる人の視聴時間は短め

高田明さん(「ジャパネットたかた」創業者/V・ファーレン長崎社長)は、現在J2のV・ファーレン長崎
https://www.v-varen.com/
の社長。J2では8億円あってもそれだけでは経営できないので、放映権料の3億5千万円はとても大きいそうです。試合を放送を通じてみたくても、デバイスがなくて見れない人たちのために、「ジャパネットたかたで、スマートテレビとWi-Fiおよびそのセッティングをパッケージしたものを売り出せば、見ることのできる人が増え、Jリーグの視聴者が増えるのでは」との提案も出ました。実際に設定代行業者もそういった話に積極的だそうです。このパッケージが実際に売られるのに時間はかからなさそうです。

Jリーグ発足当時には、鹿島アントラーズのジーコ選手などスター選手が何人もJリーグに在籍していました。

村井チェアマンは、昨年末、ジーコさんに会ってきたそうです。ジーコさんは90分の試合に出た後、お客さんが帰るまで、サインや握手などのメディア対応を1時間くらいこなされたとのこと。
村井チェアマンは、この25年間、Jリーグで活躍した外国人選手が1500人以上になるので、外国人OBのOB会長になってもらえないかについての打診で、ジーコさんのもとを訪れたんだそうです。ジーコさんだけではなく、日本でプレーした外国人選手は、日本ほど素晴らしい国はなかったと言っているそうです。

スタジアム問題について

グローバルな視点も入れると、東京都心の街中に大きなスタジアムが2つ欲しいと堀江さんは話しました。ガンバの本拠地候補には、大阪駅前もあったそうですが、最終的には吹田になったとのことです。
野球の場合は、たいてい街中にスタジアムがあります。たとえば東京都なら、東京ドームや神宮球場。

パナソニック スタジアム 吹田
http://www2.gamba-osaka.net/stadium/
の場合は、指定管理者制度で50年の使用ということで、140億円でつくりました。
たいていの地域では100億、地価の高い東京でも500億あればたてられるのでは、というのが堀江さんのお話。
ここで指定管理者制度について、ウィキペディアの文章や石川遼さんの記事
https://headlines.yahoo.co.jp/article?a=20180218-00010017-soccermzw-socc
を引用をしつつ、説明を付け加えておきます。
指定管理者制度(していかんりしゃせいど)は、それまで地方公共団体やその外郭団体に限定していた公の施設の管理・運営を、株式会社をはじめとした営利企業・財団法人・NPO法人・市民グループなど法人その他の団体に包括的に代行させることができる制度です。
Jリーグでのこの制度の適用例としては2006年の鹿島のカシマスタジアムが最初です。2015年9月末に完成した市立吹田サッカースタジアム(大阪府吹田市)は、募金団体が寄付などで資金を集めて建設し、完成後に市へ寄贈した。Jリーグのプロサッカーチーム、ガンバ大阪を経営する株式会社ガンバ大阪が指定管理者として運営にあたっています。

Jリーグは隔週開催で、せいぜい年20試合です。
サッカーをやっていない時に他用途で使えるようにするには、芝生の養生の問題も踏まえたうえで、効率化の余地があります。

裏話としては、パナソニック スタジアム 吹田は、ガンバの費用で作っている分、ガンバ使用スペースに費用がかけられていて、ガンバのロッカールームは円形になっていて、監督の声が響くようになっているんだそうです。また遠藤選手のリクエストで、ハーフタイムの間にイオンを浴びてリフレッシュするスペースも設けられているんだそうです。ホームに手厚いスタジアムになっているようです。

グローバル化の視点からは、タイなどアジアの選手をもっとJリーグに迎えるのが良いのではとの話が出ました。タイもサッカープレミアリーグの放映権に高額を払っている国で、活躍する選手も増えています。Jリーグの魅力を高めて、こういったアジアの選手をチームメンバーに加えることが、きっとJリーグの戦力強化につながっていくはずです。

堀江さんはダイエーホークスが福岡にできたとき、ダイエーが球団・球場・ホテルの3点セットをそろえたことをあげ、「サッカーでもそれをやるところが出てきてほしい。日本のサッカーのスタジアムにも、本当の意味でのVIPルームや食事ができるようになるのがよい」とお話しされました。

第2部はJリーグクラブの成長戦略

第2部はJリーグクラブの成長戦略について、議論されました。

ここでは昨年Jリーグを制覇した川崎フロンターレ
http://www.frontale.co.jp/
を中心に書いていきます。

チームは2012年に風間八宏監督が来てから変わり始めました。武田社長は現場のことは現場に任せて、GMとのコミュニケーションを密にとるようにしたそうです。

チームはフロンターレでサッカーをやりたい選手で構成するようにしているとのこと。
今年復帰した大久保嘉人選手やマリノスから移籍した齋藤学選手は、来てもらえるよう口説き続けた選手。斎藤選手については、もともと川崎出身なので、川崎への愛着のある選手だったことも移籍が決まった理由なんだそうです。
ほかのチームから金銭による補強で選手を獲得するのはコストがかかりすぎるため、自前で育てる方針できているんだそうです。

フロンターレは地元密着で確実にファンを増やしてきました。
フロンターレが弱い時は、ファンは「ユニフォームを着るのは恥ずかしい」と言っていました。なので、スタジアムでファンがユニフォームを着なくても、ブルーのものを着れば大丈夫というようにして、気軽にスタジアムに来れるようにしたそうです。今はスタジアムに2万6000人を収容できるところに、平均で2万2000人入っています。コンスタントに入場者がいるスタジアムといえるでしょう。

選手たちが小学校を訪問したり、地域のゴミ拾いをしたり、商店街に顔を出す。ホームゲームのハーフタイムにフォーミュラカーを走らせるなどといったさまざまな形で地域密着に取り組み、多くの地元のファンから愛されています。なかでも中村憲剛選手はクラブを象徴する選手で、率先して地域密着の取り組みに参加し、メディアやファンへ誠実な対応をしています。
武田さんからここで震災の際の秘話が披露されました。
東日本大震災の時に、「教材を流されてしまったので送ってください」という希望があり、算数ドリル80部を送ることになったそうです。すべてのドリルの表紙に中村選手がサインをしたものと一緒にボールとウエアを入れて陸路で運びました。震災を理由に勉強をしなくなっていた子供たちが、サイン付きの算数ドリルが届いてから勉強を再開したのだそうです。川崎でしていた地域密着の活動は、こういった場面でも力を発揮したといえますね。
ゲーム中に得点出来さえすれば立派なチームになるわけではありません。チーム力の技術面の向上だけでなく、チームメンバーやそれを支えてくれるすべての人たちのことを思いやれる誠実さや真摯さが、強くて優しいチームを創り上げたのです。

まとめ

Jリーグチェアマン村井さんのお話を会場でリアルに聴くのは、実は初めてではありません。
村井さんのリクルート時代の後輩の方のパーティでご挨拶されたのを昨年の10月に聞いたことがあります。なので今回のイベントで、Jリーグについてお話しされるのを伺えるのを楽しみにしていました。
Jリーグに金曜開催の試合が設けられることやスタジアム事情、さらには川崎フロンターレの強さの秘密など今回詳しく知ることができて有意義でした。
なかなかスタジアムでサッカーを見る機会がなかったのですが、Jリーグのチケットはコンサートや観劇のチケットに比べるとお得な金額で入手できそうなので、機会を見つけて観戦したいと思いました。

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レポート:NewsPicksアカデミア アンバサダー(第2期)
宮崎 恵美子
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