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【予算850億の元バイヤーが解説】値段の付け方の話

こんにちはのじです。
(私の記事は #NP企画  で検索できます)

簡単に自己紹介します。
元大手ドラッグで化粧品バイヤーを約10年、雑貨カテゴリーマネージャーを1年半やっていました。去年の僕の予算は850億以上だったので客観的にもそれなりに活躍していたと思います。

今は化粧品メーカーのマーケティング本部で自社の商品企画したり、他社のコンサル的な仕事をしています。

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今回は価格設定についてです。

失敗の可能性を消していくのが売れる近道なので、売れない売価や適正な売価のつけ方を知っておこうという話です。

原価の積み上げから売価をつけていると言う方はそれはやめた方が良いですよ。

どうやって売価をつけるか?

そのためにはその品種がいくらでどれくらいの需要があるかの相場感をしっておく必要があります。

とはいえ

販売価格(取引先への出荷金額)よりコストが低くしないと利益がでません。販売価格一製造コストは黒字にしないといけません。

つまり、価値を決める時には

『買ってもらえる上限売価』を知った上で

『コストを抑えて利益が出す構造』

この2つを考える必要があります。

相場感を知るには?

色んな市場データがある場合はそれを活用してください。ここではデータが特にないケースについて説明します。

やり方は簡単です。

棚の前に行ってその品種にいくらの商品が何個並んでいるか数えるだけです。個数じゃなて何フェースでも構いません。

例えば歯ブラシなら

58円が10フェース
78円が3フェース
98円が35フェース
128円が8フェース
178円が4フェース
198円が20フェース
228円が2フェース
248円が4フェース
298円が10フェース
348円が2フェース
378円が2フェース
398円が2フェース

という感じです。(例なので数字は適当です)
これをグラフにするとより分かりやすくなります。

これを3~5企業分やったらかなり正確な値が見えてきます。

上の例でいうと98円が基本機能の相場感、198円が付加価値の相場感、298円はやや贅沢の相場感です。

特に有名な商品がある場合はその商品がその店におけるお客さんの価格と品質の基準になります。

つまり

結論

売れない可能性を減らすには

①1番高い価格帯のボリュームゾーンより高い売価にしない事

適正な売価をつけるには

②お客さんは相場感に対して、その中で商品を比較して買っているので、無駄に安くしないこと。(特に贅沢の相場感)

これに尽きます。

ただし②に関しては商品の企画の段階からどこの相場感がどの品質レベルかを知った上で、少なくとも2つの切り口でそこに勝てる品質の商品を作る必要があります。

同じ売価で同じ品質ならお客さんは今までと同じものか有名な商品のものを買うので間違いのないようしてください。

余談

実はこれはバイヤーが顧客にあった品揃えの戦略を立てたりPB品を作る時にやる方法です。

限られた売場スペースで最大の売上を作るにはメインのターゲット層の予算にあった品揃えをする事が重要だからです。

高い価格の商品は置いていても多くのお客さんは購買対象として目が行きません。

自分が買える価格帯に商品がたくさんある方がお客さんは品揃えがいい店と感じるという事ですね。

マーチャンダイジングの基礎の部分なので売価の種類が増えるとメーカーの言いなりになっているんじゃないかと言われたものです。

小売のセオリーを知った上で的を得た提案をしましょう。

おまけ

以下は平成29年の厚生労働省の世帯所得の分布図です。縦軸が世帯数で横軸が所得額になります。

グラフの右にいけば世帯数が少なくなります。
ドラッグストアのメインの客層は中央値の層です。

自分は高いもの買わないけど人は高いもの買ってくれるだろうなんて考えは都合が良いですよね。

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最後まで読んで頂いてありがとうございました。

のじ

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