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才能の科学(読書感想)前編

長く読書らしいことをしていなかった。昨年度一年間は、大人の学び直し期間だったので、かなりの数の本は読んでいたが、教科書や参考書、問題集がほとんどで、詰め込み型の記憶活動が中心。noteで読書感想を書くような、本と周辺知識や体験を関連させて理解する様な活動は、少なかったかもしれない。

かなり億劫になっている💦

ちょうど自室には、昨年読もうとして投げ出してあった一冊があったので、とりあえず、それから読み始めることにした👇

才能の科学 マシュー・サイド著
 山形浩生・守岡桜訳 河出書房新社

まず、帯が中年に希望を持たせる👇

「才能がない」と諦める前に。能力は後天的に伸ばせる!

もちろん現実的には、中年より若者、若者より子どもがより有利であることは間違いないし、それは本書でも否定しない。

だが、その努力が科学的なレールに乗っているかどうか?また、その構造を理解しているかが、最終的な成功を分かつポイントであると本書は指摘している。

では、その科学的なレールや構造とは何か?本書ではそのいくつかを実際の事例を元に、わかりやすく紹介している。

まず、第一部第一章では、ベテラン看護師や消防隊の隊長が持つ第六感について話が始まる。彼(彼女)らは、いかにして他の経験の浅い看護師や若い消防隊員たちが気付けないことに気付き、自分や患者、仲間たちを危機から救い、安全を守ることができたのか?そこには、共通したある理由があったと言う…

第一部第二章では、才能の正体について、モーツァルトやタイガーウッズ、デビッド・ベッカムなどを例に上げ、「それはただ神に与えられしものではない」と断言している。また、練習時間にも注目し、実は取り組んだ10000時間が、その何かを覚醒させる一つのポイントであるとも述べる。

しかし、第一部第三章では、前章の10000時間だけでは、覚醒の絶対条件として足りず、実はその取り組みの内容にこそ注目すべきと述べ、卓球やゴルフのプロたちの練習法を例に、フィードバックの大切さと、目的意識を持って、練習に取り組むことの重要性を強調する。

第一部第四章では、周囲のコーチやメンターの接し方にも言及し、誤った褒め方は、失敗を怖れる人物を作り、成長と挑戦を阻害すると言う。私には部下や生徒、実の子どももいないが、もしいれば、ここは必読の箇所であろう。

私の読書感想、「才能の科学」前編は以上だが、今回ご紹介した本書の第一部だけでも読めば、今までの努力の在り方を見直し、もっと効率的な努力が可能になるのではないか?と思うがどうだろう?

例え歴史に残る天才ほどでなくとも、取り組みの10000時間より前に、あなたがその何か(才能か第六感か?)に覚醒し、本書のベテラン看護師や消防隊の隊長の様な活躍を見せるかもしれない!

また私が、精神科の看護師として、その何かを既に得ているかどうかは、以前の私のnote記事を参考にしてもらいたい。もちろん、その自負はある。

次回中編では、その努力によって得た才能(何か)の十分な引き出し方について、本書、第二部の一流スポーツマンの思考や行為から、短くまとめてご紹介したいと思う。

続く

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