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去年と今年

マドリードで過ごす二度目のクリスマス。
1年前は、なにかと目新しかった。コロナでまだ行動が制限されていたものの、イルミネーションを見に行ったり、トゥロンやロスコン、パネトーネ(どれもこの時期のお菓子)を食べてみたり、宝くじの抽選日の大騒ぎに感心したりした。東方三博士のパレードも見物した。

きらめくイルミネーションには今年もわくわくするし、ロスコンも食べたし(トゥロンとパネトーネはそれほど好みでないので今年は食べず)、宝くじの中継も見たし、クリスマスは特別な時期だなと感じる。
でも、落ち着いている。

朝の通勤途中、たまにすれ違う人たちがいる。
たとえば、カトリックの神父さん。教会に向かう途中だろうか、黒い襟から白いカラーが少し見える、あの神父さんの服装で、いつも背筋を伸ばしてスマホを片手に歩いてくる。画面から目を離さないが、足もとがふらついたりすることはなく、一定の歩調を乱さない。
今週の木曜日、ひさしぶりに見かけた。相変わらず、スマホを見ながらまっすぐ歩いてくる。誰も邪魔できなさそうな安定に満ちた佇まい。

春になる前に私はこの街を去る。神父さんと行き交うことは、もうないかもしれない。
スペインもマドリードも大好きだけれど、私にとってはそろそろかな、と思う。次も新しい場所で、まだ知らない景色を見たい。

タイトル画像は、近所のショッピングモールの一角。夕方になるとサンタの格好をしたおじさんがいて、子どもたちに人気。昼間は空席に「今アバター見に行ってます」という札がかかっていた。

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