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希望を持つこと:自分の意思を保つこと

「座右の銘は」と聞かれて、すぐに自信を持って答えられる人もいるのだろうか。

先日、あるところで「座右の銘」が話題になっていた。
ふと、私の座右の銘はなんだろう、と考えた。
すると、アレクサンドル・デュマの『モンテ・クリスト伯』の中の一言が思い浮かんだ。

「待つこと、希望を持つこと」

これは、小説の終わりに、モンテ・クリスト伯が書き残す手紙の一部だ。
この小説のあらすじはご存知の人も多いと思うが、他人の妬みを買って無実の罪で投獄された主人公が、脱獄し、富を築き、復讐を果たすというものだ。
先ほどの言葉は、獄中で脱出と復讐の計画を練りながら、機会を待っていたモンテ・クリスト伯の人生そのものだ。

小学生の頃に読んで以来、この言葉は折に触れ私の中によみがえった。ストーリーの細部はすっかり忘れてしまったが、その場面はよく覚えている。

ここで大切なのは、「待つ」と行っても、「座して待つ」のではないことだと思う。どこからか幸運が降ってくるのを口を開けて待っているのではない。
モンテ・クリスト伯が岩窟の奥で執念を燃やしていたように、どうやって自分の目的を果たすか考え続けるのだ。それが、「希望を持つこと」なのだと思う。
「〇〇したい」という自分の意思を「保つ」こと。
単純なようだけど、これが一番重要で、一番難しいことだと思う。日常は忙しくて、つい目の前のことにとらわれ、その先の目標を忘れてしまいがちだから。

学校というものに馴染めなかった小学生の私は、自由を手にすることを待ち望んでいた。だから、この言葉が心に響いたのだろう。
自由については、大人になったことである程度は手に入れた。
今は、「物語を書いて、多くの人に読んでもらう」というもう1つの欲求のために、モンテ・クリスト伯の言葉を時々思い出す。

タイトル画像は、家の窓からの眺め。遠くを見ると気持ちが落ち着いて、元気が出る。
住まいを選ぶ時、私が重視することは窓から見える景色。

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