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スマホがなかった頃は?

数年前、日本で知人一家と食事をした際、知人の子どもたちがスマートフォンでゲームをして過ごしていることが印象に残った。
私自身は家族を伴っていなかった。
そもそも、その店に小さい子を連れてくるというので、「大丈夫かな?」と私は思っていたが、彼らは外食時はいつもそのスタイルで解決しているみたいだった。
おかげで、大人たちはゆっくり話せたけれど。

さて、スペインの食事時間は日本より遅い。しかも、おしゃべりしながらゆっくり食べる。夜10時を過ぎて、レストランの席に子どもが混じっているのをごく普通に見かける。子どもたちは大抵、スマートフォンかゲーム機を手にしている。夜の帳が降りたテラス席のあちらこちらに、明るい液晶画面が浮かび上がる。

そうやっていると、大人が自分たちの会話に集中できるのは間違いない。
たとえば、7才の我が息子は、店に入って席についた瞬間に、手近にあるナイフとフォークをつかんで遊びはじめる。夫と私は急いでそれを回収し、代わりにコーラを注文する。私たちの間では、食事中はタブレットはお休みにしているので、文明の利器に頼るわけにはいかない。結果として、さっさと食べて退散することになる。

けれど、友人や家族とテーブルを囲んで話に花を咲かせるのは、今に始まったことではないはずだ。ネットやスマホ以前は、子どもたちはどうやって退屈をしのいでいたのだろう?
なにかよい方法はあったのだろうか。それとも、日本でもそうであるように、子ども連れのそのような外出が以前は少なかったのだろうか。かわりに自宅へ招きあったりしていたのだろうか。

今日も、大人の長話にゲームをしながら同席する子どもたちを見かけて、そんな小さな疑問が浮かんだ。

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